遅行スパンの“好転”なら、上昇モメンタム加速のトリガーとなりそう
【注目ポイント】「90.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「91.500円」超えを模索する展開
【シナリオ②-1】同レート割れなら、「88.200円」付近までの下落も
【シナリオ②-2】「88.200円」割れなら、「87.500円」付近までの下落も視野
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「88.200~91.500円」
多くの対円通貨ペアがじり高基調となる中、NZドル/円も同様に「下値しっかり」かつ「上値切り上げ」の相場付きとなっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態(上図黄色丸印)になっていること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが横ばい推移になっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在のNZドル/円・日足チャートはもう一段の上値切り上げを模索するチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”になっていること、さらにはⅱ) BB・±2σラインが右肩上がりの21日MAに対してパラレルとなっていることを合わせると、今後のNZドル/円はトリガー次第ではもう一段の上値トライとなる可能性も。
そんな中、足もとにおける注目ポイントは・・・心理的な節目である「90.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「90.000円」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転”」や「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、昨年12月1日に付けた直近高値水準である「91.500円」(上図Ⓐ赤色線)超えを模索する展開になりそうです。特に、上述した「遅行スパンの“好転”」については、上昇モメンタム加速のトリガーとなり得そうです。
[シナリオ②-1]
一方で、「90.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」や「(約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す)21日MA(≒89.600円)割れ」、また「SARの売りサインへの転換」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「88.200円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落となりそうです。
[シナリオ②-2]
さらに「88.200円」割れとなった場合は、「下値支持線割れ」→「もう一段の下値追い」となる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの(刹那的な)“逆転”」や「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、200日MAをメドとする「87.500円」(上図Ⓑ’紫色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。ただし、本稿執筆(12日午前8時)時点では200日MAが右肩上がりでの推移となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②(1、2)を概括すると、今後のNZドル/円は下値しっかりの相場付きが継続するとの想定の下、当面※は「88.200~91.500円」を“主戦場”(コアレンジ)とする展開になりそうです。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
他方、[シナリオ②-2]で記載した「87.500円」までの下落に関しては、テクニカル理論上“今後あり得る動き”として捉えるのが妥当と考えます。
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