今週のポイント
今週(1/8- )の米ドル/カナダドルやNZドル/米ドルは、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向や米国の23年12月CPI(消費者物価指数)の結果次第になりそうです。米長期金利が上昇するなどして米ドルが全般的に堅調に推移すれば、米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でNZドル/米ドルは下値を試す展開が予想されます。豪ドル/米ドルに関しては、10日発表の豪州の11月CPIも材料になると考えられます。
市場では、日銀の早期の金融緩和策修正観測がやや後退しています。円の上値を抑える要因になるとみられ、カナダドル/円やNZドル/円などのクロス円は底堅く推移しそうです。
米国など主要国の株価に大きな動きがみられれば、株価動向も材料になる可能性があります。主要国の株価が上昇を続ける場合、リスクオン(リスク選好)の動きが強まるかもしれません。リスクオンは円や米ドルにとってマイナスになる一方、豪ドルやNZドルにとってプラスになると考えられます。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.06500NZドル~1.08500NZドル>
今週の豪ドル/NZドルは、10日に発表される豪州の23年11月CPI(消費者物価指数)が材料になりそうです。
RBA(豪中銀)の金融政策の先行きについて、RBAの姿勢と市場の見方にはかい離があります。RBAは前回23年12月の会合時の声明で、「金融政策をさらに引き締める必要があるかどうかは、データとリスク評価次第」と表明。追加利上げに含みを持たせました。一方で市場では、豪州の失業率が上昇(悪化)傾向にあることから、RBAの利上げサイクルは終了し、次の一手は利下げになると予想。6月か8月に利下げが行われるとの見方も市場にはあります。
月次のCPIがカバーする品目は四半期のCPIの3分の2程度であり、そのことを考慮する必要はあります。それでも、11月のCPIが市場予想の前年比4.4%を上回る結果になれば、利下げ観測が市場で後退する可能性があり、その場合には豪ドル/NZドルは堅調に推移しそうです。なお、23年10-12月期(四半期)のCPIは1月31日に発表されます。
今週の注目通貨ペア(2): <米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.31000カナダドル~1.36000カナダドル>
米ドル/カナダドルは23年12月29日に一時1.31732カナダドルへと下落した後、上昇に転じました。足もとの米ドル/カナダドル上昇の主な要因として、米国の長期金利(10年物国債利回り)の上昇やFRB(米連邦準制度理事会)の利下げ観測の後退から、米ドルが全般的に堅調に推移していることが挙げられます。
今週はカナダの主要な経済指標の発表はありません。米ドル/カナダドルは、米長期金利の動向や11日に発表される米国の12月CPI(消費者物価指数)の結果に影響を受けやすい地合いになりそうです。米長期金利が一段と上昇する、あるいはCPIが市場予想を上回る結果になれば、米ドルが全般的に堅調に推移しそうです。米ドル/カナダドルは上値を試す展開が想定されます。
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