今週のポイント
豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円は、日銀金融政策決定会合が重要です。日銀の金融政策に変更はなさそうですが、声明や植田日銀総裁の会見を受けて早期のマイナス金利解除の観測が高まれば、円が全般的に堅調に推移して、クロス円は下落する可能性があります。
米FRBによる早期の利下げ観測が一段と強まれば、米ドルが全般的に軟調に推移しそうです。豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは底堅く推移し、一方で米ドル/カナダドルは上値が重い展開になるかもしれません。
TCMB(トルコ中銀)の政策会合が21日に開かれます。TCMBは前回11月の会合で5.00%の利上げを行う一方、声明で「金融引き締めのペースは減速して、短期間で引き締めサイクルは完了する」と表明。利上げ幅を縮小するとともに、利上げサイクルは近く終了するとの意向を示しました。21日の会合で利上げ幅が市場予想の2.50%と異なる結果になれば、トルコリラが反応しそうです。
BOM(メキシコ中銀)は14日に政策会合を開き、政策金利を11.25%に据え置くことを決定しました。市場ではBOMが早期に利下げを行うとの観測がありますが、声明では利下げは示唆されませんでした。このことはメキシコペソにとってプラスと考えられます。
声明では政策金利について前回11月の会合と同じく、「しばらくの間、現在の水準に維持する必要がある」とされました。また、「予測期間内のインフレの軌道に対するリスクバランスは、依然として上向きに偏っている」との評価も変わりませんでした。
メキシコの12月前半のCPI(消費者物価指数)が21日に発表されます。CPIの結果次第では、BOMの利下げ観測が後退する可能性があり、その場合にはメキシコペソにとってさらなるプラス材料になりそうです。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.09000NZドル>
豪ドル/NZドルは12月15日に一時1.08115NZドルへと上昇し、約2週間ぶりの高値をつけました。NZの7-9月期GDP(国内総生産)や11月食品価格指数を受け(※)、RBNZ(NZ中銀)の利下げ観測が高まったことが、豪ドル/NZドル上昇の主な要因です。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場では24年5月に利下げが行われるとの見方が有力です(24年2月と4月は据え置き)。
(※)7-9月期GDPは前期比マイナス0.3%と、市場予想(プラス0.2%)に反してマイナス成長でした。また、11月の食品価格指数は前月比マイナス0.2%と、3カ月連続でマイナスになりました。
RBA(豪中銀)議事録が19日に公表されます。政策金利の据え置きを決定した12月5日の政策会合のものです。5日の会合時の声明では、「金融政策をさらに引き締める必要があるかどうかは、データとリスク評価次第」とされました。議事録がタカ派的な内容になれば、豪ドルが全般的に買われて、豪ドル/NZドルは一段と上昇する可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2): <米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.31000カナダドル~1.36000カナダドル>
パウエル米FRB議長は12月13日に「(FOMCでは)利下げのタイミングについて議論した」と述べました。一方で、マックレムBOC(カナダ中銀)総裁は15日、「利下げを議論するのは時期尚早」、「我々が議論しているのは、十分に利上げを行ったかどうか、あるいは現在の政策金利の水準をどれくらいの期間維持するかだ」などと発言。市場の利下げ観測をけん制しました。
FRBとBOCの金融政策スタンスの違いが市場で意識されて、米ドル/カナダドルは上値が重い展開になるかもしれません。カナダの11月CPI(消費者物価指数)が19日に発表されます。CPIの結果次第では、BOCの利下げ観測が後退するとともに、米ドル/カナダドルは下押ししそうです。
最新人気記事
-
「地方銀行」が4位に急浮上、日銀の早期利上げ観測強まる<注目テーマ> 12/04 12:20
-
三井住友FGが年初来高値更新、日銀12月会合での利上げ観測強まり銀... 12/02 10:58
-
明日の株式相場に向けて=来年の潮流は「リアル防衛関連」と「IP」 12/04 17:30
-
明日の株式相場に向けて=「サンリオ復活」と「任天堂界隈」に思惑 12/03 17:30
-
「半導体」が3位、米半導体株高受け一斉高も信用買い残が重荷<注目テーマ> 12/03 12:20
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 03:30
-
今日 03:19
-
今日 02:40
-
今日 02:31