今週のポイント
今週(9/4- )は、5日にRBA(豪中銀)、6日にBOC(カナダ中銀)の政策会合が開かれます。市場では両中銀とも政策金利の据え置きがほぼ確実視されており、その通りの結果になれば声明の内容が材料になりそうです。声明が今後の利上げ観測を強める内容になるかどうかに注目です。
NZの主要な経済指標の発表は今週ありません。NZドルは独自要因よりも、主要国の株価や米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向、対豪ドルではRBAの政策会合の結果に左右される状況になりそうです。
メキシコの8月CPI(消費者物価指数)が7日に発表されます。CPIの市場予想は前年比4.64%と、上昇率は7月の4.79%から鈍化するものの、BOM(メキシコ中銀)のインフレ目標(3%。2~4%が許容レンジ)を引き続き大きく上回るとみられています。CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOMの先行きの利下げ観測が後退するとともに、メキシコペソの支援材料になりそうです。
原油価格が上昇しています。サウジアラビアが日量100万バレルの自主的な原油減産を10月も継続するとの観測が、原油価格の主な上昇要因になっているようです。原油価格の上昇が続く場合、原油価格の動向にも市場の関心が向いて、カナダドルやメキシコペソの支援材料になる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07500NZドル~1.09500NZドル>
5日にRBA(豪中銀)政策会合が開かれます。この結果が豪ドル/NZドルの動向に影響を与えそうです。
豪州の7月CPI(消費者物価指数)は前年比4.9%と、上昇率は6月の5.4%から鈍化しました。月次CPIは、四半期CPIの3分の2程度の品目しかカバーしていない点に留意する必要はあるものの、インフレ率の鈍化が確認されたことでRBAは5日の会合で政策金利を据え置くと考えられます。
RBAの声明にも注目です。市場では、RBAは年内に利上げを再開するとの観測もあります。RBAは8月会合時の声明で「ある程度のさらなる金融政策の引き締めが必要になるかもしれないが、それはデータとリスク評価次第」とし、利上げ再開に含みをもたせました。今回の声明が市場の利上げ観測を強める内容になれば、豪ドルが堅調に推移して、豪ドル/NZドルは上値を試す展開になりそうです。豪ドル/NZドルの目先の上値メドとして、1.09196NZドル(7/24高値)が挙げられます。
豪州の4-6月期GDP(国内総生産)が6日に発表されます。GDPが市場予想からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34500カナダドル~1.37000カナダドル>
今週は、6日にBOC(カナダ中銀)の政策会合があります。BOCは6月と7月の2会合連続で0.25%の利上げを行っており、現在の政策金利は5.00%です(8月は政策会合なし)。
カナダの7月の雇用統計で失業率は5.5%と、6月の5.4%から悪化し、雇用者数は0.64万人減少しました。また、4-6月期GDP(国内総生産)は前期比年率マイナス0.2%と、BOCの7月時点の見通しであるプラス1.5%を大きく下振れました。7月CPI(消費者物価指数)は前年比3.3%と、上昇率は6月の2.8%から高まったものの、雇用統計やGDPの結果をみると、BOCは6日の会合で政策金利を据え置くと考えられます。カナダの8月雇用統計は会合の2日後の8日に発表されます。
BOCの声明にも注目です。政策金利が据え置かれたとしても、声明が10月以降の利上げ再開に含みを持たせる内容の場合、カナダドルの支援材料になりそうです。米国の長期金利(10年物国債利回り)も低下すれば、米ドル/カナダドルは下値を試す展開になると考えられます。米ドル/カナダドルの目先の下値メドとして、200日移動平均線(9/4時点で1.34611カナダドル)が挙げられます。
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