“もう一段の上値模索”を期待、少なくとも“下値の堅さ”を意識しながら…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/02/09 10:47

◆ 相次ぐ“タカ派発言”… - “131円半ば”へ


前日の「パウエルFRB議長発言(ディスインフレのプロセスが始まった)」を蒸し返す場面こそ見られたものの、昨日は“ドル買い(戻し)”が優勢となりました。
FRBメンバーからの“タカ派発言”が目立ったからです。

 『金融引き締め域を数年維持する必要性(ウィリアムズNY連銀総裁)』
 『インフレ対応は長期戦を覚悟(ウォラーFRB理事)』
 『個人的なターミナルレート見通しは5.4%前後(カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁)』

このためドルは対ポンド・対スイスフランを除く主要通貨に対して上昇し、ドル円は“131.533円”へと上値を伸ばしました。
もっとも米10年債利回りは一時“3.69%”へと上昇したものの、順調な入札消化に押されて“緩やかな低下(→3.61%)”を見せたことで、“132円台”に駆け上がる動きに発展することはありませんでした。

◆ “方向感定まらず”が基本ではあるが…?


「米金融政策の行方」にはさらに不透明感が漂っているだけに、“一方向への動意”は期待薄と見るのが自然です。
しかし思惑そのものは“台頭しやすい”と考えられる状況下、“不意な動意”に関してはこれまで以上に警戒が必要ということになります。
そして直近は「年内利下げ」を織り込み始めていたことを踏まえれば、フローとしては“ドル買い”に傾斜しやすいと見るのが妥当…?

来週の「米CPI(14日)」を見るまでは、“明確な方向”は定まりづらいと見るのが自然かもしれません。
しかし昨日も記した“窓埋め”が完了した以上、“過熱感”は解消されやすく、意識は“上値追い”へと向かいやすい…?
過度な期待は禁物ではありますが、“もう一段の上値模索”、少なくとも“下値の堅さ”を意識しながら、神経質なマーケットと対峙したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

133.000(大台)
132.899(2/6高値、日足・一目均衡表先行スパン下限)
132.700(2/7高値、週足・一目均衡表転換線、ピボットハイブレイクアウト)
132.400(+2σ)
上値5:132.319(50日移動平均線)
上値4:132.112(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:132.000(大台、2/6~2/7の61.8%戻し)
上値2:131.702(2/6~2/7の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:131.533(2/8高値)
前営業日終値:131.453
下値1:131.140(2/7~2/8の38.2%押し、+1σ)
下値2:131.000(大台、日足・一目均衡表基準線、2/7~2/8の50%押し)
下値3:130.904(週足・一目均衡表先行スパン上限、2/7~2/8の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値4:130.625(2/8安値)
下値5:130.505(2/7安値、日足・一目均衡表転換線、2/2~2/6の50%押し水準)
130.296(ピボット2ndサポート)
130.000(大台、ピボットローブレイクアウト)
129.923(2/2~2/7の61.8%押し、20日移動平均線)
129.000(大台)

《10:30》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想