そして本日は“急変動”に警戒を…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/12/13 11:06

◆ 「債券・株式・為替」で異なる思惑 - 米CPI


昨日も基本は“方向感定まらず”でした。
ただし米CPIを巡る思惑は「債券・株式・為替で異なった」ということもあり、俗にいう“互い違い”といった動きが見られました。

まず先週末発表の米PPIは“5ヶ月連続の伸び鈍化”が示されたことで、「米インフレ・ピークアウト観測」は立ちやすいのは否めないところです。
これを受けて米CPIも“控えめな数値”が並んでおり、米株式市場ではいわゆる「楽観論」が台頭しています。

こうしてNYダウは“急騰(+500ドル超)”を演じたわけですが、一方で米PPIは“いずれも事前予想を上回った”という事実もあります。
つまり「インフレ鈍化は緩慢」と見ることも可能であり、「利上げの長期化(いわゆるターミナルレート)」が意識されやすいという側面も持っています。
こちらを意識したのが米債券市場であり、米10年債利回りが“急上昇(3.51%→3.62%)”するにつれて、為替では“ドル買い(136.407円→137.848円)”が進行するに至っています。

◆ その米CPIで「どちらかが崩れる」…?


まだまだ思惑が“揺れ動く”中、本日は重要イベントの第1弾・米CPIが予定されています。
前記したように事前予想は“控えめ”ですが、「米利上げペース鈍化 VS 利上げ長期化」はまだ続いている格好となります。
このため結果次第ではどちらかが“損切り”を迫られる可能性が否めず、“急変動”を意識せざるを得ないというのが実状といえます。

オーダー状況を見ると、“137.80-138.00円”には「ドル売り/ストップロスのドル買い」が、“137.00‐136.70円”には「逆(ドル買い/ストップロスのドル売り)」が、それぞれ背中合わせで設定されているとも聞き及びます。

個人的には「利上げの長期化」が勝ると考えていますが、後は結果次第…?
発表後の“急変動”には、十分注意しておきたいところです。
そしてそれまでは、引き続き“神経質な揺れ動き”を想定しておきたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しております。

140.618(10/21~12/2の38.2%戻し)
140.275(日足・一目均衡表基準線、+1σ)
140.000(大台)
139.890(11/30高値)
139.620(ピボットハイブレイクアウト)
139.000(大台)
138.927(11/22~12/2の61.8%戻し)
上値5:138.734(ピボット2ndレジスタンス)
上値4:138.303(20日移動平均線)
上値3:138.179(ピボット1stレジスタンス)
上値2:138.083(12/1高値、大台)
上値1:137.861(12/7高値、12/12高値、11/22~12/2の50%戻し水準)
前営業日終値:137.624
下値1:137.466(12/9~12/12の23.6%押し)
下値2:137.000(大台、12/9~12/12の38.2%押し)
下値3:136.732(12/9~12/12の50%押し、ピボット1stサポート)
下値4:136.407(12/12安値、12/9~12/12の61.8%押し、-1σ)
下値5:136.136(12/9~12/12の76.4%押し)
136.000(大台)
135.848(日足・一目均衡表転換線)
135.737(12/2~12/7の50%押し)
135.603(12/9安値)
135.294(12/2~12/7の61.8%押し)
135.165(200日移動平均線)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想