■業績動向
1. 2023年3月期第2四半期の業績概要
ブランディングテクノロジー<7067>の2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高2,545百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益58百万円(同47.3%増)、経常利益58百万円(同54.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益36百万円(同16.3%増)となった。また、通期業績に対する進捗率は、売上高で48.5%、営業利益で37.0%、経常利益で37.7%、親会社株主に帰属する当期純利益で35.2%であったが、計画どおり順調に推移しているようだ。各利益の進捗率はV字回復を果たした前年同期を上回っており、好調を持続していると言えよう。同社は、全セグメント共通で中堅・中小企業のデジタルシフトニーズを獲得し、成長性を高めており、デジタルマーケティング事業が同21.5%増収、同68.3%増益と好調に推移した。
日本経済はコロナ禍の影響が和らぎ、行動制限が徐々に緩和され景気が緩やかに持ち直していくことが期待される状況となった。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引締め等を背景とした世界経済の減速懸念、急激な円安や物価高騰等による国内景気への影響を注視する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いている。一方、同社の属する国内インターネット広告市場は回復基調にあり、なかでも「インターネット広告費」が「マスコミ四媒体広告費」の総計を初めて上回った。さらに、「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」及び「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、動画広告やソーシャル広告の伸びが成長を後押しし、同22.8%増となった※。このことから、社会全体が急速にデジタル化していることやデジタル庁の設置などもあいまって、今後も市場の成長が期待される。
※出所:電通「2021年日本の広告費」。
このような市場環境の下、同社は売上向上のための打ち手として、新規顧客獲得・既存顧客からのアップセルを強化したほか、業界特化ノウハウ発信を中心としたマーケティング強化による新規顧客獲得の効率の向上に注力した。一方、利益向上のための打ち手として、2023年3月期上期に立ち上げた新規サービスの営業を強化した。また、新規サービスや蓄積したノウハウを生かした提案を既存顧客に提案することで、プロジェクトごとの採算改善を進めた。このほか、育成強化によるフロント人材などの習熟度向上、ユニットごとのコストダウン、裾野が広がる副業人材の確保などフリーランスネットワーク強化による人件費の変動費化などを進めた。これらの結果、期ズレなどにより売上総利益率は低下したものの、売上高は2ケタ増となり、営業利益率も前期比0.5ポイント改善した。なお、利益率の改善は中期的な施策が背景にあることから、今後もしばらく続く見込みである。
2.セグメント別の動向
(1) ブランド事業
ブランド事業の売上高は721百万円(前年同期比2.1%減)、セグメント利益は149百万円(同23.2%減)となった。新規顧客獲得及び既存顧客からのアップセルを強化したものの、前年同期の好調の反動や下期への期ズレにより、減収減益となった。
a) 中小・地方企業向けブランド×デジタルシフト
住宅業界向けタレントアンバサダーサービスを中心に、新規顧客の獲得や既存顧客のクロスセルを強化した。また、業界特化ノウハウの発信を軸としたマーケティング強化により新規顧客獲得の効率が向上した。シナジーを生む企業との業務提携や提携先企業との共催セミナー開催などにも注力した。
b) 医療業界向けブランド×デジタルシフト
シンフォニカルの分社化により医療業界専門の組織整備が完了し、顧客獲得のためのサービス開発やマーケティング投資を強化した。また、学会を中心とした業界イベントなど、独自の顧客獲得チャネルを強化した。
c) 中堅・中小企業向けコンテンツマーケティング・メディア制作
大型案件の継続取引を推進したほか、継続取引からのアップセル・クロスセルの強化、地方代理店との協業による新規顧客獲得チャネルの強化に注力した。
(2) デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業の売上高は1,741百万円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益は133百万円(同68.3%増)となった。事業ユニット「中堅・中小企業向けデジタルマーケティング支援」としては、前期から続くオンラインでの営業活動のほか、非コア業務の外部化を進めたことにより、フロント人材が付加価値の高い仕事に専念できる体制を構築した。これにより既存顧客へのサービス拡充やクロスセルを強化し、利益率向上を図った。中小・地方企業をメインターゲットとする事業戦略が顧客に評価され、大手デジタルマーケティング企業に対して差別化が進んだことも業績好調の要因と考えられる。
(3) オフショア関連事業
オフショア関連事業の売上高は82百万円(前年同期比13.8%増)、セグメント利益は0百万円(同99.5%減)となった。
a) 沖縄ニアショア・地域振興
沖縄県内の経済が回復しつつあることに加え、ネットワークを生かした営業・マーケティング活動により新規顧客の獲得を強化したことで、オウンドメディアやネット広告などデジタルマーケティング事業を中心に販売が増加した。なお、沖縄におけるブランド事業は下期偏重型のため、上期に獲得した案件の納品が下期になる傾向がある。
b) ベトナムオフショア
円安の進行により売上原価及び販管費が増加していることから、積極的な投資は控えるフェーズとし、原価抑制や人材配置の見直しを進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NS>
1. 2023年3月期第2四半期の業績概要
ブランディングテクノロジー<7067>の2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高2,545百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益58百万円(同47.3%増)、経常利益58百万円(同54.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益36百万円(同16.3%増)となった。また、通期業績に対する進捗率は、売上高で48.5%、営業利益で37.0%、経常利益で37.7%、親会社株主に帰属する当期純利益で35.2%であったが、計画どおり順調に推移しているようだ。各利益の進捗率はV字回復を果たした前年同期を上回っており、好調を持続していると言えよう。同社は、全セグメント共通で中堅・中小企業のデジタルシフトニーズを獲得し、成長性を高めており、デジタルマーケティング事業が同21.5%増収、同68.3%増益と好調に推移した。
日本経済はコロナ禍の影響が和らぎ、行動制限が徐々に緩和され景気が緩やかに持ち直していくことが期待される状況となった。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引締め等を背景とした世界経済の減速懸念、急激な円安や物価高騰等による国内景気への影響を注視する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いている。一方、同社の属する国内インターネット広告市場は回復基調にあり、なかでも「インターネット広告費」が「マスコミ四媒体広告費」の総計を初めて上回った。さらに、「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」及び「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、動画広告やソーシャル広告の伸びが成長を後押しし、同22.8%増となった※。このことから、社会全体が急速にデジタル化していることやデジタル庁の設置などもあいまって、今後も市場の成長が期待される。
※出所:電通「2021年日本の広告費」。
このような市場環境の下、同社は売上向上のための打ち手として、新規顧客獲得・既存顧客からのアップセルを強化したほか、業界特化ノウハウ発信を中心としたマーケティング強化による新規顧客獲得の効率の向上に注力した。一方、利益向上のための打ち手として、2023年3月期上期に立ち上げた新規サービスの営業を強化した。また、新規サービスや蓄積したノウハウを生かした提案を既存顧客に提案することで、プロジェクトごとの採算改善を進めた。このほか、育成強化によるフロント人材などの習熟度向上、ユニットごとのコストダウン、裾野が広がる副業人材の確保などフリーランスネットワーク強化による人件費の変動費化などを進めた。これらの結果、期ズレなどにより売上総利益率は低下したものの、売上高は2ケタ増となり、営業利益率も前期比0.5ポイント改善した。なお、利益率の改善は中期的な施策が背景にあることから、今後もしばらく続く見込みである。
2.セグメント別の動向
(1) ブランド事業
ブランド事業の売上高は721百万円(前年同期比2.1%減)、セグメント利益は149百万円(同23.2%減)となった。新規顧客獲得及び既存顧客からのアップセルを強化したものの、前年同期の好調の反動や下期への期ズレにより、減収減益となった。
a) 中小・地方企業向けブランド×デジタルシフト
住宅業界向けタレントアンバサダーサービスを中心に、新規顧客の獲得や既存顧客のクロスセルを強化した。また、業界特化ノウハウの発信を軸としたマーケティング強化により新規顧客獲得の効率が向上した。シナジーを生む企業との業務提携や提携先企業との共催セミナー開催などにも注力した。
b) 医療業界向けブランド×デジタルシフト
シンフォニカルの分社化により医療業界専門の組織整備が完了し、顧客獲得のためのサービス開発やマーケティング投資を強化した。また、学会を中心とした業界イベントなど、独自の顧客獲得チャネルを強化した。
c) 中堅・中小企業向けコンテンツマーケティング・メディア制作
大型案件の継続取引を推進したほか、継続取引からのアップセル・クロスセルの強化、地方代理店との協業による新規顧客獲得チャネルの強化に注力した。
(2) デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業の売上高は1,741百万円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益は133百万円(同68.3%増)となった。事業ユニット「中堅・中小企業向けデジタルマーケティング支援」としては、前期から続くオンラインでの営業活動のほか、非コア業務の外部化を進めたことにより、フロント人材が付加価値の高い仕事に専念できる体制を構築した。これにより既存顧客へのサービス拡充やクロスセルを強化し、利益率向上を図った。中小・地方企業をメインターゲットとする事業戦略が顧客に評価され、大手デジタルマーケティング企業に対して差別化が進んだことも業績好調の要因と考えられる。
(3) オフショア関連事業
オフショア関連事業の売上高は82百万円(前年同期比13.8%増)、セグメント利益は0百万円(同99.5%減)となった。
a) 沖縄ニアショア・地域振興
沖縄県内の経済が回復しつつあることに加え、ネットワークを生かした営業・マーケティング活動により新規顧客の獲得を強化したことで、オウンドメディアやネット広告などデジタルマーケティング事業を中心に販売が増加した。なお、沖縄におけるブランド事業は下期偏重型のため、上期に獲得した案件の納品が下期になる傾向がある。
b) ベトナムオフショア
円安の進行により売上原価及び販管費が増加していることから、積極的な投資は控えるフェーズとし、原価抑制や人材配置の見直しを進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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