またしても「上値は重く、下値は堅い」へ逆戻り…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/12/06 11:10

◆ ほぼ同じ材料も、先週末とは正反対… - “ドル買い”優勢


好内容となった先週末の米雇用統計では、一時“米10年債利回り上昇→ドル買い”が見られたものの、最終的には“利回り低下→ドル売り”が誘発されました。
しかし昨日は、それとは正反対の動きでした。

昨日発表されたISM非製造業景況指数は“3か月ぶりの上昇(+2.1の56.5)”となり、“前月(2020年5月以来最低の54.4)”からさらなる低下を見込んでいた思惑を巻き戻しました。
また同時に発表された新規受注も“大きな伸び(+1.0%)”を記録したことから、米国債から逃避資金が流出する格好となりました。
このため米10年債利回りは“急上昇(3.50%→3.61%)”を見せる中、ドル円も“急反発(134.133円→136.856円)”しています。

◆ それでも「米利上げペース鈍化」への思惑は変わらない…?


こうして“2日連続の好内容”ということになりましたが、「12月利上げ幅」に関する思惑は“ほぼ変化なし(0.50%:80%弱/0.75%:20%強)”というのが実状といえます。
つまり金利選好姿勢は「利上げの長期化(いわゆるターミナルレート)」への思惑であり、「利上げペース鈍化」が変化したわけではないことを意味しています。
さらに“利回り上昇→ドル買い”が優勢となっていますが、先週末にかけて進行した“ドル売りの反動”という面も否めないところがあります。
そうなると“過度なドル高期待”は抑制されやすい…?
しかし「米金利の優位性」が損なわれたわけではありませんので、ドル下落の局面では“買い戻し”も入りやすい…?

“上を下へ(今回の場合は下へ上へ)”と揺れ動いた格好ですが、本質的には「何も変わっていない」と見るのが妥当といえるかもしれません。
そうなると本日は…、またしても「上値は重く、下値は堅い」へ逆戻りと見たいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しております。

138.927(11/22~12/2の61.8%戻し)
138.646(ピボット2ndレジスタンス)
138.408(11/30~12/2の76.4%戻し)
138.083(12/1高値、大台)
上値5:137.913(11/22~12/2の50%戻し)
上値4:137.712(ピボット1stレジスタンス)
上値3:137.492(11/30~12/2の61.8%戻し)
上値2:137.000(大台)
上値1:136.856(12/5高値、11/22~12/2の38.2%戻し水準)
前営業日終値:136.779(日足・一目均衡表転換線)
上値1:136.680(-1σ)
上値2:136.417(12/5NYタイム安値後の23.6%押し)
上値3:136.090(12/2~12/5の23.6%押し、12/5NYタイム安値後の38.2%押し)
上値4:135.926(12/5NYタイム安値後の50%押し、大台)
上値5:135.707(12/5NYタイム安値後の61.8%押し)
135.617(12/2~12/5の38.2%押し)
135.435(12/5NYタイム安値後の76.4%押し)
135.234(12/2~12/5の50%押し)
135.000(大台、ピボット1stサポート)
134.851(12/2~12/5の61.8%押し)
134.735(200日移動平均線)

《10:40》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想