「日米休場」を前に“積極的なポジション形成”はなされない…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/11/22 11:23

◆ “リスク回避→ドル買い”が進行… - “142円台”へ急伸


見誤った…。

正直いって“動かない(動きづらい)”と思っていましたが、その意に反して昨日は“大幅上伸”となりました。
背景にあるのは「中国・コロナ感染再拡大」、そしてそこから派生した“リスク回避姿勢”でした。

『北京で3人死亡』『北京・広州でロックダウン/自宅待機を導入』と報じられたことが、「中国景気悪化懸念」へとつながりました。
そしてこれが“リスク回避→ドル買い”へと波及していきました。
一方、貿易赤字拡大にて「逃避通貨としての地位」が下がっていることもあり、“リスク回避→円買い”が目立つことはありませんでした。
こうしてドル円は“目先の上値メド(140.50円水準)”を突破すると、あれよあれよという間に“142円台”へと駆け上がりました。

その後は『OPEC、増産検討』との報にて、一時“米10年債利回り低下→ドル円反落(→141.322円)”という場面も見られました。
しかしすぐさまその報道が“否定”されたことで、結局は“142円台”に巻き戻されて昨日の取引を終えています。

◆ テクニカル的には“さらなる上値追い”も想定されるが…?


昨日の急伸にて、11日に割り込んだ“100日移動平均線(本日は141.100円)”を突破した格好になっています。
このため“11日高値(142.480円)”を上回ると、テクニカル的には“50日移動平均線(同145.044円)”まで駆け上がってもおかしくないということになります。
ただ明日から「日本(23日)・米国(24日)が休場」というスケジュール感の中、“積極的なポジション形成”はどこまで進行することができるか…?

“仕掛け的な動き”が入らないとも限りませんが、普通に考えれば“ポジション形成は回避”するタイミングといえます。
何より“利益確定売り”が先行しやすいタイミングと考えれば…?

見方を誤ったばかりではありますが、“上値の重さ”は意識し続けたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しております。

145.044(50日移動平均線、大台)
144.882(ピボットハイブレイクアウト)
144.807(10/21~11/15の50%戻し、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線)
144.083(20日移動平均線)
144.000(大台)
143.547(ピボット2ndレジスタンス)
143.302(11/9~11/15の61.8%戻し)
上値5:143.120(10/21~11/15の38.2%戻し)
上値4:143.000(大台)
上値3:142.826(ピボット1stレジスタンス)
上値2:142.480(11/11高値)
上値1:142.213(11/21高値)
前営業日終値:142.104(日足・一目均衡表転換線)
下値1:142.000(大台)
下値2:141.728(11/21安値後の23.6%押し)
下値3:141.428(11/21安値後の38.2%押し)
下値4:141.322(11/21NYタイムの押し目)
下値5:141.100(100日/20週移動平均線、11/21安値後の50%押し)
140.942(11/21安値後の61.8%押し、大台)
140.642(11/21安値後の76.4%押し)
140.770(ピボット1stサポート)
140.635(-1σ)
140.551(日足・一目均衡表先行スパン下限)
140.474(11/15~11/21の38.2%押し)
140.157(11/21安値)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想