リソー教育 Research Memo(8):2023年2月期業績は期初計画を据え置き、2ケタ経常増益を目指す

配信元:フィスコ
投稿:2022/11/09 16:38
■今後の見通し

1. 2023年2月期の業績見通し
リソー教育<4714>の2023年2月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%増の33,000百万円、営業利益は同19.1%増の3,610百万円、経常利益は同21.4%増の3,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.8%増の2,500百万円と期初計画を据え置いた。すべての事業で生徒数を拡大し、増収増益を見込んでいる。親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が1ケタ台にとどまるのは、繰延税金資産の計上を見込まず、実効税率が上昇することによる。

第2四半期までの通期計画に対する進捗率を見ると、売上高で46.8%、営業利益で27.9%となっており、直近3年間の平均進捗率(売上高47.3%、営業利益30.1%)をやや下回っているが、前述のとおりコロナ禍で未消化となっていた授業を9月~12月に実施することや、「名門会」「伸芽会」など上期に低調だった事業の生徒獲得に注力すること、経費の見直しを実施することなどにより、計画の達成を目指す。また、第2四半期に計上した30百万円の株式報酬費用が下期はなくなることもプラス要因となる。9月の月次業績はこうした取り組みの成果により計画を上回ったようで、第3四半期以降は増益に転じる見通しだ。なお、物価上昇等により水道光熱費やその他経費の増分については、2023年4月以降に価格転嫁する意向であり、各事業において数%程度の値上げを検討している。

下期の取り組みについて主力の学習塾事業は、第3四半期に「TOMAS」を1校新たに開校するほか、2校の増床リニューアルを実施し、生徒の獲得に注力する。家庭教師派遣教育事業では、順調な滑り出しを見せた「メディック名門会」で志望校への合格という顧客目標を達成し、さらなる校舎展開につなげる考えだ。1校当たりの生徒数は10~20名程度と少ないが、生徒当たり単価は500~600万円とグループのなかで最も高い水準となり、2023年2月期の売上高は1億円程度が見込まれている。同社は3年間で10校以上を展開する予定である。「名門会」「TOMEIKAI」については下期に新規校舎展開の予定はなく、既存校での生徒獲得に注力する。

幼児教育事業では、「伸芽会」での生徒数回復に取り組む。生徒が入れ替わる第4四半期にどれだけ巻き返すことができるかがカギを握る。学校内個別指導事業では、人員体制を強化して稼働校数の拡大に取り組んでいく。2022年8月時点で110校の導入契約校のうち未稼働校が28校あり、これらを稼働していくことで売上規模のさらなる拡大と利益率の上昇が期待される。人格情操合宿教育事業については、ツアー企画の開催数回復等により下期も増収基調が続く見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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