~フレキシブルオフィスの空間シェアリングで独自のビジネスモデルを展開~
【ポイント】
・コロナ前の業績に復帰する道筋が一段とはっきりしてきた。2023年2月期の2Q累計(上半期)は、EBITDAで46億円、営業利益で19億円を上げた。3Q以降も需要好調が見込め、コロナ禍の影響もほとんどないとみられる。今期は会社計画を大幅に上回り、来期はEBITDAで121億円、営業利益で65億円と、ピーク利益を更新しよう。
・TKPの貸会議室事業は需要が急速に戻っている。ハイブリッドな研修会場や試験会場のニーズは堅調である。来年春以降の受注も埋まりつつあり、新たなスペースの確保が必要になっている。貸オフィスのリージャスは、大型出店の影響で業績は落ち込んでいたが、今期からSFC(サブフランチャイズ)方式による出店を導入したので、稼働率の向上が営業利益の改善に結びついてこよう。
・今後の重点戦略は、1)コンテンツの充実による付加価値の向上を単価アップに結び付けること、2)フレキシブルオフィスの中でも、タイムオフィスの工夫を広げて、真似のできないスペースシェアリングを創出すること、3)空間再生から事業再生へ領域を広げていくことにある。とりわけ、ケータリング、宴会など料飲の内製化を急ぐ。
・収益が戻り、キャッシュ・フローも充実してくるので、財務制限条項(コベナンツ)に抵触している条件も、3Qには実質的にクリアできよう。そうすれば経営の自由度が上がってくる。新たな資本業務提携も活発化してこよう。来期からは本格的な攻めに入ろう。
・過去2年半のコロナ禍を見事に乗り切り、次の成長路線へ踏み出す局面を迎えている。ビジネスモデルの再構築と構造改革で、収益力は高まっている。1)時間貸しと期間貸しのフレキシブルな相互利用、2)リアルとDXによるハイブリッドな利用、3)ハードとソフトの新たな工夫も一段と進展しよう。
・DXについては、「TKPイノベーションロードマップ」を描き、数年でデータドリブン経営の仕組みを作り上げていく方針である。次への布石が着実な効果を発揮してくれば、中期的に営業利益で100億円超を目指すことは十分可能であろう。河野社長の攻めに注目したい。
目次
1.特色 真似のできない空間再生で、シェアリングエコノミーを実践
2.強み フレキシブルオフィスの日本リージャスを買収、この分野でNo.1
3.中期経営方針 サテライトオフィスへの本格参入で、ビジネスモデルをさらに革新
4.当面の業績 コロナショックを克服し、次の成長へ
5.企業評価 フレキシブルオフィスで圧倒的トップの基盤づくり
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2022年10月26日) |
2599円 |
時価総額 | 1098億円 (42.23百万株) |
PBR | 2.85倍 |
ROE | 7.9% |
PER | 36.1倍 |
配当利回り | 0.0% |
総資産 | 106106百万円 |
純資産 | 38009百万円 |
自己資本比率 | 35.8% |
BPS | 910.8円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015.2 | 14162 | 878 | 701 | 339 | 11.3 | 0 |
2016.2 | 17941 | 2004 | 1848 | 935 | 31.3 | 0 |
2017.2 | 21978 | 2694 | 2552 | 1352 | 45.2 | 0 |
2018.2 | 28689 | 3449 | 3200 | 2071 | 64.0 | 0 |
2019.2 | 35523 | 4289 | 4053 | 1893 | 58.1 | 0 |
2020.2 | 54343 | 6317 | 4752 | 1739 | 50.3 | 0 |
2021.2 | 43138 | -2497 | -2321 | -3503 | -93.2 | 0 |
2022.2 | 44685 | -883 | -1585 | -3211 | -79.1 | 0 |
2023.2(予) | 52000 | 4000 | 3400 | 1300 | 31.2 | 0 |
2024.2(予) | 58000 | 6500 | 6000 | 3000 | 71.9 | 0 |
(2022.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは2024.2期予想ベース。2017年1月に1:100の株式分割、2017年9月に1:7の株式分割を実施。それ以前のEPSは修正ベース。2020.2期2Qより日本リージャスを含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/TKP202210.pdf
関連銘柄
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