はてな Research Memo(3):UGCサービスのパイオニア、高い技術力を強みに法人向けサービスへ事業拡大(2)

配信元:フィスコ
投稿:2022/10/17 15:03
はてな<3930>の事業概要

3. テクノロジーソリューションサービス
UGCサービスで蓄積したサービス開発力やITインフラ構築力等を生かして、企業のオウンドメディアをスクラッチで開発・構築する受託サービスや、顧客企業が利用するクラウド環境やデータセンター環境のサーバーを監視するツールをSaaSで提供するサーバー監視サービス(クラウド支援サービス)を展開している。受託サービスの保守・運用を含めたストック型サービスの売上構成比は2022年7月期で8割程度となっている。

(1) 受託サービス
出版業を中心とする顧客向けに、ブラウザやアプリでマンガ・小説などを閲覧・購読できるサービスや、一般ユーザーが投稿できるサービスの開発・運用を受託している。なかでも、マンガビューワとして2014年より提供を開始した「GigaViewer」は順調に導入が進んでいる。2022年8月時点で15社、20メディア(Web版19メディア、アプリ版1メディア)で利用されており、Web版マンガビューワとしてはデファクトスタンダードとなっている。また、開発・導入実績としては、任天堂<7974>の「イカリング2」「スマプラス」「イカリング3※」のほか、KADOKAWA<9468>の「カクヨム」などがある。

※「イカリング3」は2022年9月にリリースされた任天堂ゲームソフト「スプラトゥーン3」をより快適に楽しめる機能を備えたゲーム連動サービスで、スマートフォンアプリ「Nintendo Switch Online」をダウンロードすることで利用できる。


同社の強みは、ユーザーによる投稿や閲覧行動を顧客企業のビジネスに生かすサービスを構想し実装に落とし込む企画力や、拡張性のある設計を迅速に実装できる開発力を有していること、また、サービスの規模が拡大しても表示速度等のパフォーマンスを落とすことなく、ローコスト運営を維持することが可能なITインフラの設計・構築・運営力を有していることにある。

(2) クラウド支援サービス
2014年よりクラウド支援サービスとして、サーバー監視サービス「Mackerel」の提供を開始している。サーバーやアプリケーションサービスの稼働状況を、異なるクラウドサービスやデータセンターサービスであっても一元的に監視できるほか、使いやすいUIと効率的なAPI(Application Programming Interface)機能により簡単に導入・運用できることが特長となっている。従来、企業は自社サーバーの監視に関しては自前で監視ツールを構築して運用することが多かったが、クラウドコンピューティング市場の普及拡大や技術進化、IT人材の不足を背景に、使い勝手の良い「Mackerel」等の専用ツールを導入する企業が増えてきている。

導入企業は、多くのサーバー運用が必要とされるインターネットサービス企業やゲーム制作企業、アドテク企業が多いが、エンタープライズ領域における利用も試行されている。月額利用料が比較的安価な水準(月額1,833円から。監視サーバー台数ごとに変動)で導入できるほか、監視業務の負担が大幅に軽減されることなどから、一旦導入すると解約するケースは極めて低く、導入企業のサーバー増設に伴って既存顧客単価も上昇する傾向にある。主なクライアントは、サイバーエージェント<4751>、任天堂、クレディセゾン<8253>、GMOペパボ<3633>メルカリ<4385>グリー<3632>、KDDI<9433>、(株)NTTドコモ、ビッグローブ(株)等が挙げられ、導入企業数は1,000社以上となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

<NS>
配信元: フィスコ

関連銘柄

銘柄名称 株価 前日比
3632
471.0
(10/02)
+6.0
(+1.29%)
1,350.0
(10/02)
-24.0
(-1.74%)
3930
778.0
(10/02)
-15.0
(-1.89%)
2,426.5
(10/02)
-67.5
(-2.70%)
993.6
(10/02)
-28.4
(-2.77%)
7974
7,672.0
(10/02)
-24.0
(-0.31%)
3,590.0
(10/02)
-40.0
(-1.10%)
4,609.0
(10/02)
-70.0
(-1.49%)
3,224.0
(10/02)
-11.0
(-0.34%)