本日は“膠着”が基本…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/09/12 11:21

◆ “ポジション調整”も強烈 - 一時“141円半ば”


想定した通り、先週末は“ポジション調整”に意識が傾きました。

特に黒田日銀総裁の『1日に2円も3円も動くのは急激な変化』との発言が、効いた印象が強いところです。
前日の「三者会合(財務省/日銀/金融庁)」に続き、「岸田首相との面談」を経た上での発言したことが、タイミング的に好感されたと見られます。
これが元々の“ポジション調整”が入りやすい地合いと重なり、“急落(144.105円→141.512円)”を演じました。

一方で『9月FOMCでは0.75%利上げを支持(ブラード・セントルイス連銀総裁)』に続き、先週末は『経済がショックを吸収できるうちに積極的な利上げを進める必要有(ウォラーFRB理事)』発言も飛び出しています。
「米利上げペース加速」への思惑は何ら変わっておらず、あくまで“ポジション調整”と見るのが妥当な状況でもあります。

◆ “応分の反発”は十分に想定されるが…?


このため本日も、“揺れ動き(方向感定まらず)”と見るのが自然といえます。
特に「米CPI」を明日に控える状況下では、“一方向への動意”は手控えられると見るのが妥当だからです。

オーダー状況を見ると、“142.00-141.80円”に「ドル買いオーダー」が展開しているのに対して、“142.80-143.00円”に展開する「ドル売りオーダー」は厚みを増しつつあります。
大きく値を落とした直後ですので“応分の反発”は十分に想定されるところではありますが、“後者”を超えきるためには“かなりの後押し”が必要になると見たいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:144.000(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値4:143.653(9/7~9/9の61.8%戻し)
上値3:143.245(9/7~9/9の50%戻し)
上値2:143.000(大台)
上値1:142.836(9/7~9/9の38.2%戻し)
前営業日終値:142.620
下値1:142.399(9/9安値後の38.2%押し)
下値2:142.230(9/9安値後の50%押し)
下値3:142.061(9/9安値後の61.8%押し、大台)
下値4:141.919(+1σ)
下値5:141.512(9/9安値、8/30~9/7の50%押し水準、日足・一目均衡表転換線)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想