■今後の見通し
1. 2023年5月期の業績見通し
E・Jホールディングス<2153>の2023年5月期の連結業績は売上高で前期比0.9%増の37,000百万円、営業利益で同2.4%増の4,600百万円、経常利益で同2.0%増の4,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.5%増の3,200百万円と増収増益が続き、受注高についても同5.7%増の36,000百万円と増加に転じる見通しとなっている。
2023年5月期の重点施策としては2022年5月期に引き続き、以下の5点に取り組む方針としている。
a) 6つの重点分野(自然災害リスク軽減、インフラメンテナンス、デジタル・インフラソリューション、環境・エネルギー、都市・地域再生、公共マネジメント)の技術の高度化・融合により、既存事業の強化と案件創出型営業の強化を推進
b) 未来型社会インフラ創造領域への事業展開を見据えながら、次世代基幹技術の開発を促進
c) ウィズコロナ・アフターコロナにおける働き方改革とDXを取り入れたバリューチェーン改革の推進
d) 優秀な人材の確保や育成を図るための取り組みの推進
e) リスク管理とグループガバナンスの強化
前提となる事業環境について、国内では2022年度の公共事業の当初予算が6.1兆円と前年度並みの水準となっており、これに2021年1月よりスタートした防災・減災、国土強靭化のための5ヶ年加速化対策予算(総額15兆円)が加わるため、中央省庁からの需要は堅調な推移を見込んでいる。一方、地方自治体の予算はコロナ対策に振り向けられることから、前年度比で約15%減を想定している。コロナ禍の影響が懸念点ではあるものの、国内については全国規模の緊急事態宣言が再度発出されない限り影響は限定的と見ている。海外については移動制限や隔離政策の実施による業務遅延リスクが残るものの、全体業績に与える影響は軽微と考えられる。
こうした環境下において、2023年5月期の受注高は前期比5.7%増の36,000百万円を計画している。需要が引き続き旺盛で前期末に受注残もある程度消化されたことで、新規受注獲得に向け人的リソースを振り向けることが可能になったためだ。一方、売上高については、受注残の早期進捗に取り組むなかで労働時間規制等も考慮して最低限、増収を確保する計画である。業務が順調に進捗すれば2022年5月期と同様に上振れする可能性は十分ある。
売上原価率は前期比0.1ポイント低下の66.6%を計画している。引き続き業務の平準化等による生産性向上に取り組むことで若干の改善を見込む。一方、販管費については同0.5%増と微増にとどまる見通し。業務効率改善に向けたIT投資や、人材強化に伴う人件費、研修費の増加、今後の事業拡大に向けた研究開発費の増加(同100百万円増の200百万円)などを見込んでいる。人員の採用は前期と同様のペースで進め、2023年5月期末の従業員数で前期末比64名増の1,750名、うち技術職で同51名増の1,260名を予定している。
発注者機関別の受注計画を見ると、中央省庁が前期比12.0%増、都道府県が同1.6%増、市町村が同2.4%増、民間が同1.0%減、海外が同88.2%増となっており、前期に伸長した民間を除く各機関で増加見込みとなっている。また、技術提案型業務は同18.0%増の14,475百万円と2期ぶりに過去最高を更新し、受注高全体に占める構成比も40.2%まで上昇する見通しだ。
一方、売上高については、中央省庁が同0.7%増、都道府県が同0.5%増、市町村が同1.5%増、民間が同0.2%増、海外が同18.6%増といずれも増加見込みとなっている。海外はコロナ禍の影響でプロジェクトが延伸となるリスクも想定されるが、保守的に見積もっている国内売上の伸びでカバーできると弊社では見ている。
なお、重点6分野の受注高は前期比7.7%増の22,060百万円となり、受注高全体に占める比率は前期の60.1%から61.3%とさらに上昇する見通し。すべての分野で受注増を計画しており、なかでも都市・地域再生が同21.0%増、デジタル・インフラソリューションが同18.8%増と2ケタ成長を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2023年5月期の業績見通し
E・Jホールディングス<2153>の2023年5月期の連結業績は売上高で前期比0.9%増の37,000百万円、営業利益で同2.4%増の4,600百万円、経常利益で同2.0%増の4,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.5%増の3,200百万円と増収増益が続き、受注高についても同5.7%増の36,000百万円と増加に転じる見通しとなっている。
2023年5月期の重点施策としては2022年5月期に引き続き、以下の5点に取り組む方針としている。
a) 6つの重点分野(自然災害リスク軽減、インフラメンテナンス、デジタル・インフラソリューション、環境・エネルギー、都市・地域再生、公共マネジメント)の技術の高度化・融合により、既存事業の強化と案件創出型営業の強化を推進
b) 未来型社会インフラ創造領域への事業展開を見据えながら、次世代基幹技術の開発を促進
c) ウィズコロナ・アフターコロナにおける働き方改革とDXを取り入れたバリューチェーン改革の推進
d) 優秀な人材の確保や育成を図るための取り組みの推進
e) リスク管理とグループガバナンスの強化
前提となる事業環境について、国内では2022年度の公共事業の当初予算が6.1兆円と前年度並みの水準となっており、これに2021年1月よりスタートした防災・減災、国土強靭化のための5ヶ年加速化対策予算(総額15兆円)が加わるため、中央省庁からの需要は堅調な推移を見込んでいる。一方、地方自治体の予算はコロナ対策に振り向けられることから、前年度比で約15%減を想定している。コロナ禍の影響が懸念点ではあるものの、国内については全国規模の緊急事態宣言が再度発出されない限り影響は限定的と見ている。海外については移動制限や隔離政策の実施による業務遅延リスクが残るものの、全体業績に与える影響は軽微と考えられる。
こうした環境下において、2023年5月期の受注高は前期比5.7%増の36,000百万円を計画している。需要が引き続き旺盛で前期末に受注残もある程度消化されたことで、新規受注獲得に向け人的リソースを振り向けることが可能になったためだ。一方、売上高については、受注残の早期進捗に取り組むなかで労働時間規制等も考慮して最低限、増収を確保する計画である。業務が順調に進捗すれば2022年5月期と同様に上振れする可能性は十分ある。
売上原価率は前期比0.1ポイント低下の66.6%を計画している。引き続き業務の平準化等による生産性向上に取り組むことで若干の改善を見込む。一方、販管費については同0.5%増と微増にとどまる見通し。業務効率改善に向けたIT投資や、人材強化に伴う人件費、研修費の増加、今後の事業拡大に向けた研究開発費の増加(同100百万円増の200百万円)などを見込んでいる。人員の採用は前期と同様のペースで進め、2023年5月期末の従業員数で前期末比64名増の1,750名、うち技術職で同51名増の1,260名を予定している。
発注者機関別の受注計画を見ると、中央省庁が前期比12.0%増、都道府県が同1.6%増、市町村が同2.4%増、民間が同1.0%減、海外が同88.2%増となっており、前期に伸長した民間を除く各機関で増加見込みとなっている。また、技術提案型業務は同18.0%増の14,475百万円と2期ぶりに過去最高を更新し、受注高全体に占める構成比も40.2%まで上昇する見通しだ。
一方、売上高については、中央省庁が同0.7%増、都道府県が同0.5%増、市町村が同1.5%増、民間が同0.2%増、海外が同18.6%増といずれも増加見込みとなっている。海外はコロナ禍の影響でプロジェクトが延伸となるリスクも想定されるが、保守的に見積もっている国内売上の伸びでカバーできると弊社では見ている。
なお、重点6分野の受注高は前期比7.7%増の22,060百万円となり、受注高全体に占める比率は前期の60.1%から61.3%とさらに上昇する見通し。すべての分野で受注増を計画しており、なかでも都市・地域再生が同21.0%増、デジタル・インフラソリューションが同18.8%増と2ケタ成長を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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