今週のポイント
このところ発表されている米国の経済指標が弱い結果になっていることで、市場では米国のリセッション(景気後退)や世界経済の減速への懸念が強まっています。
主要国の株価動向には要注意です。主要国株価が下落を続ければ、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まり、クロス円やNZドル/米ドルには下押し圧力が加わり、一方で米ドル/カナダドルは堅調に推移する可能性があります。
豪ドル/円や豪ドル/米ドル、豪ドル/NZドルは、5日のRBA(豪中銀)会合の結果にも注目です。RBA会合の結果次第では、豪ドルの支援材料になる可能性があります。
メキシコの6月CPI(消費者物価指数)が7日に発表されます。CPIの市場予想は、総合指数が7.98%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数は同7.54%。いずれも前月(7.65%、7.28%)から上昇率が加速し、BOM(メキシコ中銀)のインフレ目標の許容レンジ上限である4%から一段と上方へ乖離するとみられています。
BOMは前回6月23日の会合で0.75%の利上げを行いました。CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOMは今後も積極的な利上げを行うとの観測が市場で強まってメキシコペソの支援材料となる可能性があります。BOMの次回会合は8月11日です。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.08000~1.12000NZドル>
RBA(豪中銀)は5月に0.25%、6月に0.50%の利上げを行っており、現在の政策金利は0.85%です。
7月5日の会合では追加利上げが決定されるとみられ、焦点は利上げ幅と声明の内容になりそう。ロウRBA総裁は6月21日に「次回会合では0.25%か0.50%の利上げを議論する」と述べ、利上げ幅は0.25%と0.50%のいずれかになることを示唆しました。
利上げ幅について市場では、先週(6/27- )までは0.50%との見方が有力でしたが、本稿執筆時点では0.25%と0.50%で見方が分かれているようです。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場が織り込む利上げの確率は、0.25%幅が49.8%、0.50%幅は50.2%です。
声明では、豪景気についてRBAがどのような認識を示すかに注目です。
RBAが5日の会合で0.50%利上げし、声明で豪景気について楽観的な見方が示されれば、豪ドルが堅調に推移しそう。豪ドル/NZドルは、1.11623NZドル(6/16)が目先の上値メドです。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.26500~1.31000カナダドル>
BOC(カナダ中銀)は3月に0.25%、4月と6月にいずれも0.50%の利上げを行い、現在の政策金利は1.50%。カナダの5月CPI(消費者物価指数)は前年比7.7%と、BOCのインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)を依然として大きく上回っており、BOCは今後も利上げを続けるとみられます。OIS(翌日物金利スワップ)によれば、BOCの政策金利は22年末までに3.50%へと上昇するとの見方が有力です
一方で、米FRBは3月に利上げを開始しており、今後も利上げを継続しそうです。金融政策面からは、米ドル/カナダドルは方向感が出にくいとみられます。
米国など主要国の株価動向には要注意です。主要国株価が軟調に推移すれば、リスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まるかもしれません。リスクオフは米ドル高材料のため、リスクオフが強まる場合には米ドル/カナダドルは上値を試す可能性があります。
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