チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップしています。
ブリヂストン <5108> 【 2+→2+】
「高インチタイヤや鉱山用・建設用伸長等から1Qは2桁増益で順調に発進」
22/12期1Qの売却事業を除く継続事業の業績は前年同期比22.5%増収、調整後営業利益が同19.2%増の1,011億円となった。未曾有の原材料価格高騰、インフレ進行、欧州での地政学リスクの高まりなど厳しい事業環境下にあったが、欧米での市販用タイヤ販売堅調、採算の高い乗用車用高インチタイヤやORR販売の伸長等から大幅増収となり、コスト増を売値/MIXの改善でほぼ吸収し2桁増益、調整後営業利益率は11.3%と高水準確保の好決算となった。TIWでは1Qの好決算・好発進に加え、稼ぐ力の再構築を進めてきた中で、高付加価値タイヤの販売好調を2Q以降も見込むため22/12期は調整後営業利益で1桁増益を見込む同社計画の上振れを予想すること、更には前回レポート(3/18)以降株価は約15%上昇したが、株価指標面にも特段割高感がないため投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:10.7% PBR:1.4倍、来期予想PER:11.8倍、来期予想EPS成長率:6%株価(6/17終値):5,054円
Fモデルによる理論株価:5,873円(6月14日by高田悟)
ゼンリン <9474> 【 2+→2+】
「ストック型やソリューション型ビジネスが拡大、23/3期は連続で営業増益を計画」
22/3期決算では、営業利益が中間時点で上方修正した計画を売上上振れにより更に上回ったこと、23/3期は2期連続での増収、営業増益を同社が計画し増配を予想したこと、などがポジティブである。コロナ禍で大きく落ち込んだ業績は回復基調にあり、カーナビゲ―ション向けデータ販売回復の影響もあるが、強化を進めるストック型ビジネス(主にはGISパッケージ)やソリューション型ビジネス(22/3期は物流・流通関連のソリューションビジネスや個人事業主向け配達アプリ等が増加)の拡大が確り業績回復に寄与していることが評価できる。加えて、株価指標面にも従来に比べ割安感(23/3期TIW予想PER17.2倍、同社の過去3カ年の実績PER平均は45.1倍)があるため投資評価は前回レポート時からの「2+」を維持する。
予想ROE:6.1% PBR:1.1倍、来期予想PER:15.6倍、来期予想EPS成長率:10%株価(6/17終値):905円
Fモデルによる理論株価:878円(6月16日by高田悟)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)
〔 http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw 〕
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。
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