「下値固め」→「反発フロー」も?
【注目ポイント】「87.500円」を上抜け突破するか否か
【見通し①】同レート上抜け突破なら、「89.190円」付近までの上昇も視野に
【見通し②】同レートでの上値抑制継続なら、「82.500円」付近までの下押しも想定
【注目材料】RBNZ(NZ中銀)とBOJ(日銀)の金融政策スタンス
先月28日、上値抵抗圧力の強さを示唆する「上影(うわかげ)陽線」となった後、上下往って来いの相場付きが続いているNZドル/円。足もとではトレンド転換シグナルが出現しつつあります。
上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) ローソク足の下方に分厚い形状の青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIの乖離が縮小し、ADXが右肩下がりとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、NZドル/円・日足チャートは、「上昇トレンド一服」→「下値固めの時間帯」を示すチャート形状であると判断します。
その他で注目すべきメルクマールは、BB(ボリンジャーバンド)・±2σライン。15日時点では、同ラインが21日MAに向けて収縮する“スクイーズ”となっていることから、足もとのNZドル/円は、「次のトレンド発生に向けて相場の力を溜め込む時間帯」であると捉えても良いでしょう。
これからの注目ポイントは、先月28日の高値を若干上回る水準である「87.500円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜け突破するか否か。
筆者が予想する今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)
[見通し①]
これからの時間にかけて、「87.500円」を終値ベースで上抜け突破した場合は、「直近高値超え」→「上昇モメンタムの強まり」となりそうです。当該ケースでは、「BB・±2σラインの拡張(エクスパンション)への変化」や「+DI>-DIの乖離拡大」も伴いながら、15年6月時高値である「89.190円」付近までの上昇も視野に入りそうです。
[見通し②]
一方で、「87.500円」突破不達が継続した場合は、「上値抑制」→「横這い/下押し」となりそうです。当該ケースでは、「BB・±2σラインの収縮(スクイーズ)の継続」や「+DIと-DIの収斂(しゅうれん)」、さらには「SARの売りサインへの転換」も伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(≒85.000円、上図Ⓐ緑色線)、ないしはBB・-2σライン(≒82.500円、上図Ⓑ水色線)付近までの下押しも想定すべきでしょう。ただし、現状では青色雲が分厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていることから、下値余地は限定的と見て良いでしょう。
上記見通し①および②を概括すると、当面のNZドル/円は下値しっかりの相場付きが継続しそうです。よって、基本スタンスは「押し目買い」ないしは「打診買い」とするのも一案でしょう。
多くの対円通貨と同様、NZドル/円の方向性については、RBNZ(NZ中銀)とBOJ(日銀)における金融政策スタンスの相違(乖離)がその材料(=動力源)となり得ることから、当面は「NZドル高/円安」フローとなる蓋然性(がいぜんせい)が高そうです。
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