先週は、レンジの上限の28000円に近づいたあと急落し、週末は27000円割れで引ける
先週の予測では、調整が終わるのを確認するところとし、レンジを27000~28250円としました。
週始めの4日(月)、5日(火)の2日間こそ米国株式の上昇に何とかつれ高し、4日(月)は△70円の27736円、5日(火)は高寄りして△229円の27965円と28000円に接近しました。
しかし、その後は引け後のアメリカでブレイナードFRB理事がバランスシートの縮小を急ぐべきとしたことが嫌気され米株3指標が反落しました。
これを受けて6日(水)の日経平均は、3日ぶりの大幅安となり、一時▲573円の27214円まで下げ、終値は▲437円の27350円となりました。この時点では下値ポイントは27000円水準を想定していましたが、この日の米国株は、前日に続き3指標とも2日続落となりました。その理由は、公表されたFOMC議事録でバランスシートを毎月950億ドルのペースで縮小するという積極的な引締めスタンスとなっていたことで、長期金利が上昇し、10年債利回りは3年ぶりの2.65%台となりました。
これを受けて7日(木)の日経平均は、▲317円の27032円で寄り付くと、あっさり27000円を切って一時▲548円の26801円まで下落し、終値は▲461円の26888円と3週間ぶりに終値で26000円台となりました。
想定レンジを下回ったのは、FOMCの金利引締めの積極化、さらに原油高、円安、そしてウクライナ情勢の不透明感の高まりで相場に織り込み不足となったことになります。
週末の8日(金)は、前日の米国株式が3日ぶりに反発したこともあり、朝方は4月のSQも絡んで△208円で寄り付き、△296円の27185円まで上昇しましたが、買い一巡後は、売りに押され▲124円の26764円まで下げました。しかし、後場になると押し目買いが入り下げ渋り、大引けは△97円の26985円で引けました。オプション4月物の清算値は27122円でした。
週末の米国株式は、マチマチの動きでした。FRBの積極的金融引締めのスタンスを前に長期金利の上昇が続きました。金融株は利ザヤ拡大で買われ、そのためNYダウは△137ドルの34721ドルと続伸しました。一方でハイテク株の多いナスダックは金利上昇による割高感から▲186Pの13711Pと反落しました。景気の先行指標となる輸送株は売られており、先行きの経済が気になるところです。為替はドル買い・円売りが進み、一時1ドル=124.67円を歴史的なフシ目に接近しています。シカゴの日経先物は▲50円の26990円でした。
今週は、25日線(8日時点26777円)を守って反発できるかどうか
先週は、FRBの金融引締め加速の不安から週後半に日経平均は調整を深めて、週末の8日(金)には26764円まで下げました。3月9日の24681円の安値を起点とする上昇は、3月25日の28338円の戻り高値で一服したことになります。25日移動平均線(8日時点26777円)を切らなければ、ここから切り返す可能性はあります。
今週から始まる日米の企業決算で、現状はロシア・ウクライナ戦争の混迷、インフレと景気の両面に暗雲が漂っており、この悪い流れを変えられるかどうか注目となります。決算シーズンに入る中で原材料高や地政学的リスクが意識されることで、全体相場の上値が重くなる可能性は高いと思われます。
気がかりなのは「日本売り」が始まっているという見方があることです。上海が新型コロナ対策でロックダウンとなり、中国と物流が停滞し、日米金利差の拡大や貿易赤字の恒常化懸念が出ているのがその背景にあります。
注意しなければならないのは、25日移動平均線(8日時点26777円)を守って反発に転じたとしても200日移動平均線(28217円)と52週移動平均線(28324円)でアタマを抑えられての調整入りですので、チャート的には楽観できず、この先「2段下げ」に向かう可能性が生じたことになります。
当面は、25日移動平均線を下限に反発して75日移動平均線(27404円)を奪回できるのかどうか、それとも25日移動平均線を下回って下値模索となるのか、もう少し様子見が必要かもしれません。想定レンジを26500~27500円とします。
本日11日(月)は、寄り付きは、前週末の米国市場で、米長期金利の上昇を背景にナスダックやSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が下落した流れを受け、半導体関連株など値がさハイテク株中心に売りが先行し、一時、持ち直し上げに転じる場面もありましたが買いは続かず再度、軟化し、また時間外取引の米株先物安や、上海株、ハンセン指数の下げも重しとなり、また精密、情報通信、電機株なども軟調なことから、先物売りも加わって下げ幅を広げ、後場26720円まで下げました。しかし売り一巡後は下げ渋りましたが戻りは限定的で▲164円の26821円で引けました。
(指標)日経平均
先週の予測では、目先の下値は27000円水準となり、その水準で下値を見極める必要があるとしました。
結果的には、米国の金融引締めがこれまでより、さらに積極的に継続することが示唆されました。これを受けて前週までと相場環境が変わり、一気に27000円を切って引けました。
週始めこそ米国株の反発に連動して小幅続伸するものの、4月6日(水)は▲437円、7日(木)は▲461円と大幅安となりましたが、週末は26764円まで下げて△97円の26985円と反発して引けました。
今週の日経平均は、先週、FRBの早期なり金利引き上げや、ウクライナ情勢などふまえれば、全体的に手掛けにくい状況です。ただし、チャート的には目先は25日線の26777円、26761円まで下げて戻していますが、これが継続するようであれば、27500円ぐらいまで戻し、切るようだと26500円水準まで下げることになります。
このどちらかは、日米の業績の結果、ウクライナ情勢の結果次第であり、物色は一足先に本格化する3月期決算企業の決算内容を受けた個別株物色中心となりそうです。基本は26500~27500円のレンジの中の動きを想定。
(指標)NYダウ
先週の予測では、FRBの利上げ加速観測があり、又、ロシア・ウクライナ戦争も不透明さが増しており、株価の上値は重いとしました。しかし、第2四半期に入り期待がもてるため大きな下げはないとの見方をしました。
結果的には、FRBの金融引締めの強化を受けて、これを織り込みながらもみあいとなっています。NYダウは4月5日(火)の35112ドルを高値にもみあっていまいしたが、その後は、7日(金)にはザラ場で34190ドルまで下げて長い下ヒゲを出して戻してもみあい8日(金)は△137ドルの34721ドルで引けました。
今週は、金融を引締めを皮切りに、決算シーズンがスタートします。急速な金融引締めと同時に景気減速への警戒感が強まる中、堅調な決算内容が相場を支えることに期待。ただ、今週は15日(金)が休場となるため、持ち高調整が先行する可能性があります。FRBは3月のFOMC議事録で年内数回の0.5%の利上げと保有資産の月額950億ドル規模の縮小が適切としています。
2017~2019年の2倍のスピードの縮小となります。セントルイス連銀ブラート総裁は年内の政策金利を3~3.25%に引き上げるべきと主張しています。今後は、経済がこのペースの引き上げに耐えられるほど強い基調を維持できるかどうかとなります。これを考えると36000ドルは上値のフシとなる可能性があります。当面は34000~36000ドルのレンジでの動きが想定されます。
(指標)ドル/円
先週の動き
4月4~8日のドル・円は上昇が続く中で、6日(水)もドル買い・円売りは継続し、一時124円台を回復。その後も123円台後半でドル・円は底堅く推移していましたが、8日(金)は再びドルが買われ、一時124.67円となり、124.29円で引けました。ドル・円の上値のメドは15年6月5日以来の高水準である125.86円近辺と予想されています。
今週の見通し
今週は、先週末4月8日に2015年6月8日の高値125.86円に接近する125.67円まで上昇しました。これまで125円台は何度か接近し、抜けられなかったことで歴史的フシといえます。長期金利が上昇していることで、ドル買いは継続するものの、直近高値の125円台が意識され、利益確定売りを狙ったドル売りも増加し、一段のドル高を抑制するところです。125.86円はフシ目として意識されるところです。
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