チャートは依然として下値リスクが残る
先週末の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 179.86 ドル安の 33614.80、ナスダック総合指数は 224.50 ポイント安の 13313.44 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 25715 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
日経平均の日足チャートでは先週末、窓を空けて下落。一気に下値を試す動きとなっている。下方の窓を一部埋めたことで、一定の調整一巡感が台頭。しかし、株価に底打ち感はない。依然として下値リスクが残っており、本日も軟調な動きを強いられそうだ。
注目の米雇用統計は市場予想を上回る 67.8 万人増。米雇用情勢の堅調さを示唆している。賃金の伸びは減速しており、強いインフレ圧力が落ち着いたことを意味している。この経済指標の発表を受けて、米 FRB は今月中にも 0.5 ポイントの利上げを実施すると思われる。ウクライナ情勢の悪化で原油価格などの商品市況が上昇。物価上昇が顕著となっているからだ。
その一方で、1年後の予想イールドカーブ(期間別利回り曲線)では、短期金利よりも長期金利が低下。いわゆる「逆イールド」となっているのだ。米 FRB が短期金利を上げても、長期金利は将来的な利下げを示唆。FRB による積極的な利上げがすぐに終わることを意味している。いわゆる「スタグフレーション(景気後退下の物価上昇)」が起こるリスクも示しており、投資家はその点を一応、警戒しておく必要がありそうだ。
そして肝心のウクライナ情勢だが、今、もっとも関心が高いのが「プーチン氏の精神状態」だ。周りの意見を聞かない「暴君ぶり」が伝えられており、完全に「裸の王様」になりつつある。「ウクライナ北東部の核研究施設が攻撃された」と報じられており、完全に見境がつかなくなってきているようだ。戦争の長期化が続けば、「最終兵器」に手をつけるかもしれない。それがマーケットにとって大きなリスク要因として意識されている。チャートの動きはそれを暗示しており、投資家は引き続き警戒を強めるしかない。
【本日のレポート銘柄】
リミックス・ポイント<3825>
日本郵船<9101>
FRONTEO<2158>
商船三井<9104>
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