城南進研 Research Memo(3):2022年3月期2Q累計業績は増収効果等により3年ぶりに営業黒字に転換

配信元:フィスコ
投稿:2022/01/31 15:23
■業績の動向

1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
城南進学研究社<4720>の2022年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比14.9%増の3,241百万円、営業利益で98百万円(前年同期は280百万円の損失)、経常利益で99百万円(同253百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益で0.4百万円(同454百万円の損失)となった。個別指導塾「城南コベッツ」の新規生徒数獲得が低調だったことにより会社計画に対してはそれぞれ下回ったものの、前年同期比では売上高で2年ぶりの増収、各利益は3年ぶりの黒字に転換した。

売上高は映像授業部門や幼少教育部門を中心に教育事業が前年同期比13.0%増の3,056百万円と増収に転じたほか、スポーツ事業も同58.9%増の185百万円とコロナ禍前の水準まで回復した。営業利益の増益要因は、増収効果に加えて、ここ数年取り組んできた収益構造改革による固定費削減効果が大きい。具体的には、不採算教室の整理や賃借料の削減、本部組織のスリム化を推進してきた。こうした効果によって、売上総利益は前年同期比74.0%増の917百万円となり、売上総利益率も前年同期の18.7%から28.3%と大きく上昇した。販管費は経費や広告宣伝費の抑制に取り組んだことで、前年同期比1.4%の増加にとどめ、この結果、営業利益は同378百万円の増益となった。

ただ、利益水準そのものはまだ低く回復途上であることに変わりない。販管費率は本社機能のスリム化を進めたことで25%台と2018年3月期第2四半期累計の26.0%を下回る水準まで改善した一方で、売上総利益率は30%の水準まで回復しておらず、依然改善余地があると見られる。

事業セグメント別で見ると、教育事業の売上高と営業利益が2018年3月期第2四半期累計と比べるとまだ低くなっている。当時1,219百万円の売上を計上していた「城南予備校」が無くなったことが要因で、それを映像授業部門や児童教育・デジタル教材部門の成長でまだカバーしきれていない状況と言える。ただ、これら部門については着実に成長を続けていることから、いずれ4年前の収益水準を超えてくるものと弊社では見ている。なお、特別損失として減損損失68百万円を計上したが、これは個別指導部門等における一部固定資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額したことによるものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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