■要約
萩原電気ホールディングス<7467>は名古屋を地盤とする半導体、電子部品、電子機器の商社及び自社製品の開発・製造・販売のメーカーである。売上高の約85%が自動車関連企業向けで、トヨタ自動車<7203>をはじめとしたトヨタグループを主要顧客に持つ。近年はソリューション事業の伸長が著しい。
1. 2022年3月期第2四半期連結業績(実績)
2022年3月期第2四半期の連結業績※は、売上高が71,604百万円(前年同期比35.6%増)、営業利益が1,754百万円(同27.1%増)、経常利益が1,723百万円(同25.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,145百万円(同30.6%増)となった。主要顧客である自動車メーカーの生産が前年同期に比べて大きく上向いたことなどから大幅増収となったが、セグメント別でも、デバイス事業、ソリューション事業ともに増収増益となった。デバイス事業の売上高比率が高まったことや新商材の拡販等によって全体の粗利率はやや低下したが、販管費の増加が小幅にとどまったことから営業利益は大幅増となった。
※2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)(以下、「収益認識に関する会計基準」)を適用している。これにより、システムの保守契約等一定期間にわたりサービスを提供することを履行義務とする契約において、従来は顧客の検収時点で収益を認識していたものを、2022年3月期よりサービス提供期間にわたり定額で収益を認識することに変更している。なお、前年同期については組替えを行っておらず、前年同期比は参考値となる。
2. 2022年3月期連結業績(予想)
2022年3月期の連結業績は、売上高で150,000百万円(前期比17.3%増)、営業利益で3,600百万円(同3.8%増)、経常利益で3,580百万円(同0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,320百万円(同0.2%増)とする期初予想を据え置いている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により依然として先行き不透明な状況が続くと予想されること、主要顧客の設備投資や情報化投資の回復に期待がかかる一方で半導体や原材料の世界的な供給不足をリスク要因として抱えていることなどから慎重な予想となっている。ただし、売上高が予想を達成できれば、利益は予想を上回る可能性は高いだろう。
3. 中期経営計画
同社は2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。重点戦略として「コア事業拡大」「新高付加価値事業創出」「事業基盤強化」「企業価値向上」を掲げ、2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を数値目標としている。同社を取り巻く環境は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の加速や自動車関連領域におけるCASEの進展、ADAS(先進運転支援システム)、EV化など、事業機会拡大のチャンスと業界の垣根を越えた競争の激化によるリスクが並存する大きな変革が進んでいる。このような環境下で、中期経営計画の目的は「稼ぐ力を蓄える」ことであり、今後の動向に注目したい。
■Key Points
・自動車関連企業向けが売上高の約85%を占める半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2022年3月期は積極的な拡販活動により2ケタ増収予想も、利益面では3.8%営業増益と堅めの予想
・中期経営計画を発表。2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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萩原電気ホールディングス<7467>は名古屋を地盤とする半導体、電子部品、電子機器の商社及び自社製品の開発・製造・販売のメーカーである。売上高の約85%が自動車関連企業向けで、トヨタ自動車<7203>をはじめとしたトヨタグループを主要顧客に持つ。近年はソリューション事業の伸長が著しい。
1. 2022年3月期第2四半期連結業績(実績)
2022年3月期第2四半期の連結業績※は、売上高が71,604百万円(前年同期比35.6%増)、営業利益が1,754百万円(同27.1%増)、経常利益が1,723百万円(同25.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,145百万円(同30.6%増)となった。主要顧客である自動車メーカーの生産が前年同期に比べて大きく上向いたことなどから大幅増収となったが、セグメント別でも、デバイス事業、ソリューション事業ともに増収増益となった。デバイス事業の売上高比率が高まったことや新商材の拡販等によって全体の粗利率はやや低下したが、販管費の増加が小幅にとどまったことから営業利益は大幅増となった。
※2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)(以下、「収益認識に関する会計基準」)を適用している。これにより、システムの保守契約等一定期間にわたりサービスを提供することを履行義務とする契約において、従来は顧客の検収時点で収益を認識していたものを、2022年3月期よりサービス提供期間にわたり定額で収益を認識することに変更している。なお、前年同期については組替えを行っておらず、前年同期比は参考値となる。
2. 2022年3月期連結業績(予想)
2022年3月期の連結業績は、売上高で150,000百万円(前期比17.3%増)、営業利益で3,600百万円(同3.8%増)、経常利益で3,580百万円(同0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,320百万円(同0.2%増)とする期初予想を据え置いている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により依然として先行き不透明な状況が続くと予想されること、主要顧客の設備投資や情報化投資の回復に期待がかかる一方で半導体や原材料の世界的な供給不足をリスク要因として抱えていることなどから慎重な予想となっている。ただし、売上高が予想を達成できれば、利益は予想を上回る可能性は高いだろう。
3. 中期経営計画
同社は2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。重点戦略として「コア事業拡大」「新高付加価値事業創出」「事業基盤強化」「企業価値向上」を掲げ、2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を数値目標としている。同社を取り巻く環境は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の加速や自動車関連領域におけるCASEの進展、ADAS(先進運転支援システム)、EV化など、事業機会拡大のチャンスと業界の垣根を越えた競争の激化によるリスクが並存する大きな変革が進んでいる。このような環境下で、中期経営計画の目的は「稼ぐ力を蓄える」ことであり、今後の動向に注目したい。
■Key Points
・自動車関連企業向けが売上高の約85%を占める半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2022年3月期は積極的な拡販活動により2ケタ増収予想も、利益面では3.8%営業増益と堅めの予想
・中期経営計画を発表。2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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