今週の新興市場では、マザーズ指数が下げ足を速め、12月2日には終値ベースで8月17日以来の安値を付けた。新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」の感染拡大や米金融引き締めなどへの懸念から日経平均が一時28000円を割り込むなか、新興市場でもリスク回避目的の売りが広がった。特にマザーズは直近賑わっていた銘柄を中心に週間で2割以上の下落となった銘柄が少なくなく、損失覚悟の売りを強いられるケースが多かったとみられる。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.5%であったのに対して、マザーズ指数は-7.1%、日経ジャスダック平均は-2.0%だった。
個別では、メルカリ<4385>が週間で3.1%安、フリー<4478>が同10.8%安、JTOWER<4485>が同5.9%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調。売買代金上位のFRONTEO<2158>やグローバルウェイ<3936>は5割超、アスタリスク<6522>などは3割超の大幅下落となった。直近賑わっていただけにきつい反動を強いられたようだ。一方、時価総額上位ではビジョナル<4194>、売買代金上位ではリボミック<4591>が逆行高。11月24日上場のサイエンスアーツ<4412>は良好な株式需給を背景に上値追いの展開が続いた。ジャスダック主力も日本マクドナルドHD<2702>が同2.0%安、東映アニメーション<4816>が同5.0%安、ワークマン<7564>が同7.0%安と全般軟調。売買代金上位ではシンバイオ製薬<4582>や田中化学研究所<4080>が大きく売られた。また、ジェイテック<2479>などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.2%高となり、フェローテックHD<6890>も逆行高。株式分割の実施を発表したアミタHD<2195>はおよそ2.2倍に急伸した。IPOでは、ボードルア<4413>が公開価格を37.5%上回る初値を付ける一方、のむら産業<7131>が公開価格割れスタートとなった。
来週の新興市場では、引き続き不安定な相場展開となることを想定しておきたい。新型コロナ「オミクロン型」の詳細や米金融政策の先行きを巡りなお不透明感が拭えず、さらに米上場廃止への懸念から中国テック企業の株価が急落するなど、外部環境に改善の兆しは見出しづらい。また、マザーズでも人気銘柄の相次ぐ急落で個人投資家の損失が膨らんでいるとみられるうえ、後述のとおり来週からIPOのブックビルディング(BB)が増えるため、これに備えるための換金売りが出てくることも想定される。本格的な回復までには時間を要するだろう。
しかし、今週末に急反発したGMOフィナンシャルゲート<4051>などは期待の根強さを感じさせ、11月19日上場のAB&Company<9251>や一部証券会社の投資判断引き上げが観測されたAI inside<4488>も見直しの動きが強まっているようだ。また、来週は12月9日にビジョナル、ステムリム<4599>などが決算発表を予定している。ビジョナルは転職サイト「ビズリーチ」の成長軌道への回帰とともに評価を高めており、今回の決算も注目されるだろう。
IPO関連では、12月10日にフレクト<4414>がマザーズへ新規上場する。クラウドインテグレーションなど時流に乗るビジネスを手掛け、公開規模も荷もたれ感がない。また、12月後半の上場案件が本格的にBB期間に入ってくるため、改めてスケジュールを確認するとともに、需要状況を注視しておきたい。
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個別では、メルカリ<4385>が週間で3.1%安、フリー<4478>が同10.8%安、JTOWER<4485>が同5.9%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調。売買代金上位のFRONTEO<2158>やグローバルウェイ<3936>は5割超、アスタリスク<6522>などは3割超の大幅下落となった。直近賑わっていただけにきつい反動を強いられたようだ。一方、時価総額上位ではビジョナル<4194>、売買代金上位ではリボミック<4591>が逆行高。11月24日上場のサイエンスアーツ<4412>は良好な株式需給を背景に上値追いの展開が続いた。ジャスダック主力も日本マクドナルドHD<2702>が同2.0%安、東映アニメーション<4816>が同5.0%安、ワークマン<7564>が同7.0%安と全般軟調。売買代金上位ではシンバイオ製薬<4582>や田中化学研究所<4080>が大きく売られた。また、ジェイテック<2479>などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.2%高となり、フェローテックHD<6890>も逆行高。株式分割の実施を発表したアミタHD<2195>はおよそ2.2倍に急伸した。IPOでは、ボードルア<4413>が公開価格を37.5%上回る初値を付ける一方、のむら産業<7131>が公開価格割れスタートとなった。
来週の新興市場では、引き続き不安定な相場展開となることを想定しておきたい。新型コロナ「オミクロン型」の詳細や米金融政策の先行きを巡りなお不透明感が拭えず、さらに米上場廃止への懸念から中国テック企業の株価が急落するなど、外部環境に改善の兆しは見出しづらい。また、マザーズでも人気銘柄の相次ぐ急落で個人投資家の損失が膨らんでいるとみられるうえ、後述のとおり来週からIPOのブックビルディング(BB)が増えるため、これに備えるための換金売りが出てくることも想定される。本格的な回復までには時間を要するだろう。
しかし、今週末に急反発したGMOフィナンシャルゲート<4051>などは期待の根強さを感じさせ、11月19日上場のAB&Company<9251>や一部証券会社の投資判断引き上げが観測されたAI inside<4488>も見直しの動きが強まっているようだ。また、来週は12月9日にビジョナル、ステムリム<4599>などが決算発表を予定している。ビジョナルは転職サイト「ビズリーチ」の成長軌道への回帰とともに評価を高めており、今回の決算も注目されるだろう。
IPO関連では、12月10日にフレクト<4414>がマザーズへ新規上場する。クラウドインテグレーションなど時流に乗るビジネスを手掛け、公開規模も荷もたれ感がない。また、12月後半の上場案件が本格的にBB期間に入ってくるため、改めてスケジュールを確認するとともに、需要状況を注視しておきたい。
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