チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップしています。
カシオ計算機 <6952> 【 2+→2+】
「中国での時計の実質減収は一時的とみる。株価の見方は従来通り」
22/3期2Q(7-9月)は、前年同期比4%増収、15%営業増益。時計は東南アジアで感染拡大に伴う稼働制限を受けた影響や中国の台風や感染再拡大の影響から、合計35億円の販売減少に繋がった模様。2Qはこのような逆風下で、時計は中国で実質減収ながら、欧州やその他地域が実質2桁増収と好調でカバーし、全体では実質3%増収を確保した。上期利益は上振れだが、会社側は通期予想を据え置いた。生産制限は足元では終息しつつある。一方、楽器の半導体不足の影響は3Qに強めに出そうな他、部品供給不足に対する対応がどれだけ進むか不透明な点も多いことなどが通期据え置きの背景にある。下期のシステムは未達の可能性があるが、時計、楽器が慎重な印象で吸収可能とみる。TIWでは会社計画より若干強めのTIW利益予想を今回も据え置く。
予想ROE:9.0% PBR:1.9倍、来期予想PER:17.1倍、来期予想EPS成長率:23%株価(11/26終値):1,517円
Fモデルによる理論株価:1,808円(11月24日by服部隆生)
豊田通商 <8015> 【 2+→2+】
「自動車生産及び販売関連が堅調、通期計画を上方修正」
22/3期上期(4-9月)は営業活動に係る利益(以下、営業利益)、純利益が大幅増益となる好決算となった。通期計画を上方修正し年間配当予想を増額修正したこと、再生可能エネルギーを中心に成長・重点分野で費用先行を見込みつつも22/3期は純利益過去最高を見込んでいること、などが上期決算ではポジティブに評価できる。TIWでは主要取引先トヨタ自動車(7203、以下トヨタ)が期末にかけ本格的に挽回生産に向かうと想定されることを踏まえると下期(10-3月)の同社予想に保守的な印象が強いため修正後の同社22/3期計画の上振れを見込む。また、23/3期はトヨタの生産台数増や資源国での自動車販売堅調等を想定し22/3期から増益と堅調な業績展開を予想する。こうした中、株価指標面にも割安感があるため投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:11.2% PBR:1.2倍、来期予想PER:9.5倍、来期予想EPS成長率:5%株価(11/26終値):5,200円
Fモデルによる理論株価:7,452円(11月24日by高田悟)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔 http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw 〕
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。
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