上方に分厚い壁 下方に窓
昨日の米国株式市場は感謝祭で休場。円相場は1ドル=115 円 30 銭付近での推移となっており、ほぼ横ばい。時間外取引の日経平均先物(円建て)は 29490 円。したがって、本日の日経平均はもみ合いスタートを想定。前日終値近辺から始まると思われる。
米国株式市場が休場だったこと、そして週末ということもあり、基本的には動意薄の閑散相場が予想される。
日経平均の日足チャートでは昨日、強気のはらみ線が出現。いったん落ち着いた動きとなっている。しかし、「窓・壁・軸理論」では上方に分厚い壁が位置しており、何かと上値を抑えられやすい。下方に窓が位置しており、「上方に壁・下方の窓」という位置関係。下方の窓を埋めやすくなっており、その通りに動くかが焦点となりそうだ。
日経平均は弱気形状を維持しており、これが「何かの予兆」の可能性は十分にある。考えられる悪材料は、やはり第6波の襲来。南アフリカで新たな変異株が出現しており、予断を許さない状況となってくる。いずれはこういった変異株が入国。新たな感染源として、全国に蔓延する可能性はある。
あとは、極端な円安、そして原油高の進行だ。極端に輸入コストが増加すれば、経済対策では対処できない可能性がある。日本経済を疲弊させる原因として認知されれば、急速な金融引き締め観測が台頭。日銀も動かざるを得なくなる。そういった「未知」のことを株価が予感している可能性がある。コロナ収束、経済の正常化への期待は高いものの、期待通りにV 字型回復にはなっていないのが現状。それをマーケットがどう織り込みに行くのか――。その辺が焦点となりそうだ。投資家は「売りポジション」を持ったまま、クリスマス商戦の出足、この週末を迎えることになる。
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