株価指数先物 【週間展望】 ―衆院選の結果次第ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションが積み上がる可能性も

配信元:株探
投稿:2021/10/31 17:00

「衆院選の結果次第ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションが積み上がる可能性も」

 今週の日経225先物は、衆議院選挙の結果を背景に週初は荒い値動きが見込まれる。これまでの報道では、与党が絶対安定多数を確保する、あるいは自民党が単独過半数をやや上回るとの観測が多いが、予断を許さない情勢だった。与党が絶対安定多数を失う、あるいは自民党が単独過半数を割る結果となれば、今後の政権運営や政策推進に影響すると考えられ、瞬間的にはショートを仕掛けてくる動きが強まりそうだ。

 一方で与党の議席減が確実視されるなか、自民党が単独過半数を維持できれば成長実現を目指す政策を推進しやすく、重要イベントの通過といった流れのなか、ロングポジションの積み増しが見込まれよう。また、懸念されていたアップルやアマゾン・ドット・コムの動向については、29日の米国市場では決算を嫌気して売られたものの、その後は買い戻されて下げ幅を縮めるなど押し目買い意欲の強さが窺えた。

 NYダウ、S&P500、ナスダックの主要な株価指数についても売り先行後はプラス圏に浮上している。シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比210円高の2万8990円だった。国内政治イベントを無難に通過する格好になれば、2万9000円固めから2万9500円を上限とするレンジ推移をみせてくることが期待される。反対に政権運営や政策推進への警戒感が高まるようだと、2万8500円~2万9000円での推移といったところか。

 週末のVIX指数は18.06まで上昇する場面があったものの、その後、低下に転じて16.26で終えている。とはいえ、チャート上では下値を切り上げる形状でリバウンドをみせてきていることから、25日、75日移動平均線が位置する18.40~18.50を捉えてくるようだと、センチメントに影響を与える可能性がある。

 また、今週は日米両国における企業決算発表のほか、米国では重要な経済イベントが予定されているため、これらの影響を受けやすい。11月2~3日に連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策を討議する連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を開催する。テーパリングの開始や2022年半ばの終了は既に織り込まれていると考えられるものの、11月1日の10月ISM製造業景況指数、3日の10月ADP雇用統計、5日には10月の雇用統計の発表を控え、オーバーナイトのポジションは取りづらく、基本的にはこれまで同様、短期的な売買が中心になりやすい需給状況だろう。

 10月3週(10月18日-22日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で買い越しており、買い越し額は1452億円(前週は3367億円の買い越し)だった。なお、現物株は1089億円の売り越し(同4788億円の買い越し)と3週ぶりの売り越しであり、先物は2541億円の買い越し(同1421億円の売り越し)と5週ぶりに買い越している。なお、先週の手口面では、日経225先物はクレディスイスが2900枚超売り越しており、ショートポジションを積み上げたほか、TOPIX先物ではモルガンSが2900枚超売り越していた。

 先週のNT倍率は先物中心限月では14.44倍で終えた。週初に14.26倍まで低下したものの、その後は緩やかな上昇をみせており、週末には一時14.47倍まで上昇する場面があった。これにより、9月半ば以降に上値を抑えられていた75日線を上回ってきた。米国市場の強い流れを受けてNT倍率の上昇が見込まれ、衆院選の結果次第ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションが積み上がる可能性がありそうだ。

 経済スケジュールでは、1日に中国10月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国10月ISM製造業景況指数,、米国10月製造業PMI改定値、2日に豪準備銀行政策金利発表、3日に中国10月財新サービス部門PMI、米国10月ADP雇用統計、FOMC2日目、4日に米国9月貿易収支、米国7-9月期四半期非農業部門労働生産性、5日に米国10月雇用統計などが予定されている。


――プレイバック・マーケット――

●SQ値
1月限 日経225 27774.95  TOPIX  1832.70
2月限 日経225 29718.77  TOPIX  1940.02
3月限 日経225 29282.41  TOPIX  1930.42
4月限 日経225 29909.73  TOPIX  1961.13
5月限 日経225 27748.22  TOPIX  1871.53
6月限 日経225 29046.40  TOPIX  1958.82
7月限 日経225 27726.72  TOPIX  1897.15
8月限 日経225 28093.15  TOPIX  1958.27
9月限 日経225 30085.93  TOPIX  2065.84
10月限 日経225 28098.14  TOPIX  1967.56


◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
21/12 10月29日  28790  29030  28470  28780  +20
21/12 10月28日  29010  29020  28640  28760  -240
21/12 10月27日  29130  29250  28860  29000  -130
21/12 10月26日  28640  29170  28590  29130  +510
21/12 10月25日  28910  28940  28370  28620  -250

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
21/12 10月29日  1999.0  2008.5  1979.0  1992.5  -3.0
21/12 10月28日  2010.0  2010.5  1985.5  1995.5  -13.0
21/12 10月27日  2020.0  2027.0  2004.0  2008.5  -12.5
21/12 10月26日  1996.5  2024.0  1992.5  2021.0  +25.0
21/12 10月25日  2006.5  2010.5  1980.5  1996.0  -8.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日比
10月29日(12月限)  28990  +210
10月28日(12月限)  28905  +145
10月27日(12月限)  28640  -360
10月26日(12月限)  28975  -155
10月25日(12月限)  28810  +190
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
10月22日     37億円  -198億円  8609億円  -3007億円
10月15日    236億円 -0.04億円 1兆1616億円  -482億円
10月08日    236億円  +173億円 1兆2098億円  -578億円
10月01日     62億円  -88億円 1兆2676億円  -1570億円
09月24日    151億円 -1001億円 1兆4247億円  +2105億円
09月17日    1152億円  -111億円 1兆2141億円  +3800億円
09月10日    1264億円 -1239億円  8341億円  +2063億円
09月03日    2503億円 +1594億円  6277億円  +1482億円
08月27日    909億円 -3003億円  4795億円  -1295億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
      売り      前日比    買い       前日比
10月27日     13万株    -21万株  2億8264万株   +307万株
10月26日     35万株    -47万株  2億7956万株   +1908万株
10月25日     82万株    -7万株  2億6048万株   -4730万株
10月22日     90万株   -1318万株  3億0778万株   -239万株
10月21日    1408万株   +130万株  3億1018万株   -6818万株
10月20日    1277万株   +146万株  3億7837万株   +82万株
10月19日    1131万株    -55万株  3億7755万株   +512万株
10月18日    1187万株   +421万株  3億7242万株   -993万株    

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
11月13日 701億円
11月18日 701億円
12月21日 701億円
12月22日 701億円
12月30日 701億円
1月4日  501億円
1月15日  501億円
1月20日  501億円
1月28日  501億円
2月26日  501億円
3月4日  501億円
3月5日  501億円
3月22日  501億円
3月24日  701億円
3月30日  501億円
4月21日  701億円
6月21日  701億円
9月29日  701億円
10月1日  701億円

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