先週は、想定通り28500~29500円のレンジの上から下までを試す
前週末の15日(金)は、△517円の29068円と2週間ぶりに29000円台を回復して終りましたが、先週の予測では、基本は戻りを試すが28500~29500円のレンジ内の動きを想定しました。
結果的には、20日(水)に29489円まで上昇するものの、その後、原油高を嫌気し翌日は28688円まで下落し、週末の22日(金)は、28546円まで下げて反発に転じ、△96円の28804円となりました。レンジの上限を試して次は下限を試す形となりました。
チャートの動きをみてみると、前週に多くの移動平均線が集まっている28500円水準を突破して29000円台を回復しました。しかし、29500円水準は累積出来高が膨らんでいるところで、ここからは戻り売りになることが想定されました。そこで、日経平均は、まず半値戻しの28783円を達成しているので、次は3分の2戻しの29219円、その上は29500円としていました。
具体的な日経平均の動きをみると、18日(月)は、前週末の大幅高の反動から利益確定売りが出て、一時▲144円の28924円まで下げ、その後、△75円の29144円まで上昇するものの、買い一巡後は上値重く下げ渋るが戻りは限定的で▲43円の29025円と反落しました。
19日(火)は、前日の米国株式はNYダウは反落するものの、S&Pとナスダックは4日続伸となり、ハイテク株中心に買われたことで、日本市場でも半導体関連に買いが先行し、一時△247円の29272円まで上昇し、終値は△190円の29215円でした。
20日(水)は、前日の米国市場で好決算が続いていることから3指標そろって上昇したことや、円安進行もあり日経平均は一時△273円の29489円まで上昇しました。しかし、その後、戻り売りや利益確定売りで伸び悩み、先物の売りも出たことで急速に上げ幅を縮小し、△40円の29255円で引けましたが4日続伸でした。
21日(木)は、前日の後場の上値の重い動きから売り優勢となりました。前場は▲93円の29161円でしたが、後場になると為替が、1ドル=114円台の前半へとやや円高の動きとなり、後場、仕掛的な売りで29000円を割り込むと見切り売りを誘って下げ幅を拡大したとみられ、一時▲566円の28688円まで下げ、終値は▲546円の28708円となりました。
週末の22日(金)は、前場、早い段階で▲162円の28546円の安値をつけて反発し、前引けは△183円の28892円。後場になるとじり安となり上げ幅を縮小し、△96円の28804円となりました。
28500~29500円のレンジで下値を確認したので目先は29500円を試すことになります。
週末の米国市場は、アメリカンエキスプレスなどの優良株が上昇し、中国恒大集団が米ドル債の利払いを実施することが伝わるとデフォルト懸念がやや後退し、NYダウは2ヶ月ぶりに終値での最高値を更新しました。しかし、一部のハイテク株の決算が嫌気され、ナスダックは反落して終了し、3指標はまちまちの動きとなりました。為替は1ドル=113円台半ばまでの円高となり、シカゴ日経先物は▲140円の28730円でした。
今週も28500~29500円のレンジ。その中で29000円水準からは上値が重い展開か
今週も日経平均は、基本は28500~29500円の中で、29000円水準からは上値の重い動きになりそうです。外部的には、エネルギー価格の上昇や中国経済の不透明さがあるものの、今週に限っては日本では31日に行われる衆議院選の投開票で様子見が強まる可能性があります。海外投資家は、政治には敏感ですので自民党の獲得議席数が注目となります。これが終わると長期スタンスの海外投資家が本格的な売買を始める可能性があり、11月は上昇期待がもてます。
このような状況の中で、日経平均を支えるのは、今週から始まる決算発表です。3月期決算企業にとって中間決算となるこの期は、第1四半期では、上方修正を見送った企業が業績の見直しを行うことが想定され、予想を上回る発表がなされれば日本市場は見直されることになります。
気がかりなのは22日(金)の値動きです。朝の早い段階で29000円に接近するものの、以降は上げ幅を縮小し、後場は安値圏で終えました。日経平均は不安定ながらも上昇したものの、29000円を超えられず失速となりました。場中に中国恒集団の利払い実施の材料が出てきたものの、これを受けても上げきれなかったのは、上述した政治リスクが意識されていると思われます。
今週は、日本と米国で決算発表が本格化しますが、日本の場合は31日の選挙の他に、27~28日の日銀金融政策決定会合が開催され、日本郵政の売り出し価格の決定もあります。足元では米長期金利の動きがやや大きくなっており、為替の動きにも左右されることになります。もう1つの見方として、日本郵政の株式売り出し(10月25日)と衆議院選の投開票(31日)を控えて政策的に株高を演出すれば、日経平均は28500~29500円のレンジの上に向かう場合も考えられます。
本日25日(月)は、寄り付きは、前週末の米国市場でナスダックやSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が下落した流れを受け、値がさハイテク株中心に売りが先行しましたが、株価指数先物買いもあっていったん下げ渋ったりましたが買いは続かず再び軟化し、指数寄与度の高いファストリテイリング やソフバンGなどの軟調推移もあり、前場は28472円と28500円を割りました。しかし売り一巡後は、時間外取引で米株価指数先物が持ち直したこともあり、下げ幅を縮小しましたが、戻りは限定的で、中でもファストリテイリングが1銘柄で約98円押し下げ、終値は▲204円の28600円となりました。
(指標)日経平均
先週の予測では、29500円水準は累積出来高が多いところですので、ここを超えることができれば3万円を目指すことが考えられるとしましたが、目先的には19日の衆議院選の公示後の動きをみながら、28500~29500円のレンジの中でのもみあいとしました。
結果的には、週半ばの20日(水)に29489円まで上昇後、上げ幅を縮小して△40円の29255円となり、21日(木)には、後場、円高をきっかけに仕掛け的な売りが出て、さらに見切り売りも加わって▲566円の28688円まで下げました。22日(金)には前場、早い段階で28546円まで下げたあとは、戻りに入り終値は△96円の28804円でした。目先は29500円水準を試す動きとなりそうです。
今週は基本的には、28500~29500円のレンジの動き。しかし、先週の動きをみると29000円水準からは上値が重い展開の可能性も。その要因は、31日の衆議院選の投開票があります。外国人投資家は政治に敏感なので、自民党の議席数がどのくらい目減りするのか用心しています。一方で決算も本格化してくるので、業績発表で上方修正企業が増えれば日経平均の下支えとなります。
(指標)NYダウ
先週は、引き続き企業決算が本格化し、戻りを試していく展開を想定しました。中国恒大集団のリスクは存在するものの、景気循環株が相場をけん引するとしました。
好決算が続き、10月19日(火)までS&Pとナスダックは5日続伸となり、20日(水)にはNYダウは2ヶ月ぶりにザラ場での高値更新となり、21日(木)はS&Pは7日続伸して史上最高値更新となりました。週末の22日(金)は、中国恒大集団の米ドル債の利払い実施が伝わり、NYダウは△73ドルの35677ドルと終値でも2ヶ月ぶりの最高値更新となりました。
今週は、ハイテク決算とインフレ指標となるPCEコア デフレーターや7~9月期GDPに注目となります。今年に入り6%台の成長が続いた7~9月期は新型コロナの変異株流行で経済活動が鈍化したほか、サプライチェーン混乱で成長が+2.5%に低下する見込みです。スタグフレーション懸念も根強く、一時的な相場下落につながる可能性があります。さらにFRBはインフレ指標としている9月PCEコア デフレーターは目標としている2%を大きく超える3.7%に拡大する公算となっています。予想が大きく上回れば早期の利上げ観測が、さらに相場の売り圧力となってきます。
(指標)ドル/円
●先週の動き…ドルは伸び悩む
先週は、10月18日発表の中国7~9月期GDPの一段の減速や、米国の9月鉱工業生産指数の2ヶ月連続の落ち込みで、ドル売り・円買いがやや活発となりました。その後、FRB幹部によるインフレが年末までに弱まらなければ利上げを早める可能性の発言や日本の9月貿易収支の赤字継続を受けて、ドル・円は一時114.70円まで上昇しました。2017年11月以来のドル高・円安となりました。その後、利益確定売りや中国恒大集団の債務問題から円が買われ、114円を下回り、さらに22日(金)は急速な利上げは景気を停滞させるとの懸念が浮上し、長期金利が再び低下してドル売りにつながり113.49円で引けました。
●今週の見通しは、114円台ではドル売り圧力で伸び悩む
経済指標が好調であれば、年末までにテーパリングに着手する可能性が高い。パウエル議長は、早期利上げに慎重となっているが、方針としては年内テーパリングを開始して来年半ば頃に終了する考えを伝えています。現状のドルの上昇は秩序だったドル高ではなく、114円台後半からドル売り・円買いが増えるとみられています。原油価格の下落や中国恒大集団の債務問題など、ドル売り材料が広がればドルの上値は重くなるとの見方が多いようです。
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