株式会社メディアドゥとのPOD書籍出版市場における業務提携に関する協議開始について

　当社と、株式会社メディアドゥ（以下、メディアドゥ）は、POD（プリント・オンデマンド）書籍出版市場の拡大を目的とした業務提携について協議・検討を開始することで合意いたしましたので、下記の通り、お知らせいたします。

　両社が持つPOD書籍出版のノウハウを生かし、出版のDX（デジタルトランスフォーメーション）を促進する新しい出版環境を、すべての著者・出版者（個人出版社、新興出版社、既存出版社内の新規部門など）に提供することで、より豊かな出版文化の形成を目指します。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　記　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
１．業務提携検討の目的と概要
　日本の書籍流通業は、委託販売制度により書店は仕入れた書籍を自由に返品できる柔軟な販売システムとなっていますが、既存出版社は返品リスクを最小限にするために売れる可能性がある書籍を中心に出版する傾向になりがちです。その結果、ニッチなテーマを取り扱った書籍、読者が限られる書籍などの出版を希望する著者・出版者にとっては、参加のハードルが高い販売システムとなっています。インターネットの発達により、さまざまな情報が発信できる環境が整っているにも関わらず、書籍流通は経済的な理由により出版機会が限定されがちなのが現状です。

　こうした書籍流通の経済的な課題を解決する仕組みとして、注文ごとに1冊ずつ印刷・製本して出荷できるPOD（プリント・オンデマンド）を採用する書店が登場し、委託販売のために見込み製造を一切行うことなく紙書籍を販売できる仕組みが定着しつつあります。出版する側にとっては事前の見込み製造がないため初期コストを大幅に低減でき、多品種出版が容易になるというメリットがあります。また、注文ごとに印刷・製本するため、在庫切れがまったく発生しないサステナブル（持続可能）な出版を実現しています。その結果、読者にとっては、多種多様な書籍を在庫切れなくいつでも購入できるというメリットを享受できます。


２．両社の現況と業務提携検討の範囲
　当社は、各種専門出版事業を手がけていますが、その一つとして、個人向けPOD書籍出版・電子書籍出版の販売支援サービス「ネクパブ・オーサーズプレス」を子会社の株式会社インプレスR&Dで展開しています。「ネクパブ・オーサーズプレス」は、2021年7月末時点で利用者5,300名、累計販売額5億円、発行点数5,000点を超える規模に成長しています。

　一方、メディアドゥは出版社支援サービスの一環として、2015年よりPOD出版サービスを行う書店への取次業務（以下、書店POD）を開始し、2019年より書店PODとオンデマンド印刷の双方展開のPODサービス「PUBRID」を展開しています。2021年7月末現在で、累計38,000点のコンテンツを国内・海外へ取次販売しています。

　業務提携につきましては、個人向け「ネクパブ・オーサーズプレス」と出版社向け「PUBRID」を核に、著者・出版者を対象とした各種サービス提供の検討を行います。主な検討内容は以下の通りであり、また、将来的にはPOD書籍出版サービス会社を両社共同で設立することも視野に入れて活動を行います。

・POD書籍の出版（企画立案、制作支援）
・POD書籍の流通及び販促支援
・PODを活用した書籍製造サービス



３．今後の予定
　今後につきましては、業務提携の検討に基づき、必要に応じてお知らせします。

４．業績への影響
　本件による業績への影響は軽微であると考えております。別途適時開示の必要な事象が生じた場合は、速やかに開示いたします。

５．相手先の概要
（１）名称　　　　：株式会社メディアドゥ
（２）所在地　　　：東京都千代田区一ツ橋1-1-1
（３）代表者　　　：代表取締役社長 CEO　藤田 恭嗣
（４）主な事業内容：デジタルコンテンツ流通・配信／システム開発・提供／
　　　　　　　　　　メディアコンサルティング／出版者支援サービス、および各種研究開発
（５）資本金　　　：5,883百万円（2021年5月末日現在）
（６）設立年月　　：1999年4月
（７）当社との関係：資本関係、人的関係はありません。
　　　　　　　　　　取引関係については、当社の電子書籍の流通・配信についての取引があります。
（８）売上高　　　：83,540百万円

以　上

【本件に関するお問合せ先】
株式会社インプレスホールディングス 社長室　広報担当
TEL: [phone]代表 / E-mail: [e-mail]
URL：https://www.impressholdings.com/