終値ベースで窓を維持できるかが焦点
先週末の米国株式相場は上昇。ダウ工業株 30 種平均は 242.68 ドル高の 35455.80、ナスダック総合指数は 183.69 ポイント高の 15129.50となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 27880 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は堅調スタートを想定。上値を試すものと思われる。
注目のジャクソンホール・オンライン会合でパウエル議長は、テーパリング(緩和縮小)の「年内開始」に前向きな姿勢を示した 。ただし、早期の利上げに関しは否定したために、市場では買い安心感が台頭。主要株価指数は上昇した。
日経平均の日足チャートでは、いったん上値を試す動きとなりそうだ。窓を空けて上昇することになり、先高観が強まるだろう。
「窓・ひげ理論」では現在、「下ひげ・上方に窓」という位置関係になっている。需給的には上昇しやすくなっており、その通りに動くだろう。そのとき焦点となるのが、上方の窓上限(27684.50 円)に到達したとき。寄り付き時点でこれに到達することになり、ここで窓と株価の位置関係が逆転。短期的に下落しやすい需給へと変化してしまう。終値ベースで窓を維持できるかが焦点となりそうだ。
ただ、現時点でのチャートは「弱気形状」であるため、上昇した場面では戻り売り。買い一巡後に失速し、寄り付きで空けた窓を埋めれば弱気形状は継続。先安観は維持されることになる。将来的な大幅安に向けての土台ができるというわけだ。
もちろん窓空けを維持した場合には、再びチャートは強気転換する。その場合は上下の窓に挟まれた形となり、その後「ボックス相場」を形成しやすくなる。
今の段階において投資家は「弱気」を前提にトレードしなければならない。ぼちぼち市場に投資家が帰ってくるものの、目新しい買い材料は見当たらない。「続・夏枯れ相場」といった感じであり、積極的に上値を買い進むのは難しいだろう。コロナ感染拡大、秋の政局、そしてアフガン情勢の悪化が懸念されており、株価はノー天気に上昇していられない。
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