■要約
川辺<8123>は服飾雑貨の製造卸売・小売を展開する老舗の専門商社である。ファッションを先取りする「インターモード川辺」として多様な消費者ニーズに対応し、2023 年2月に創業100周年を迎える。なお第1位株主であったタオル製造販売大手の一広(株)(愛媛県今治市)が2021年1月29日付でTOB(株式公開買付け)を実施して同社の親会社となった。
1. 身の回り品事業とフレグランス事業を展開する専門商社
ハンカチーフ、スカーフ・マフラー、タオル、雑貨等を販売する身の回り品事業、香水等を販売するフレグランス事業を展開し、海外有名ブランドの百貨店向け卸売を主力としている。事業別の売上高構成比は身の回り品事業が8割強、フレグランス事業が1割強、品目別の売上高構成比はハンカチーフが6割強で推移している。ただし直営小売やEC通販の強化、新規販路の開拓などで百貨店向けの売上構成比は低下傾向である。
2. 2021年3月期はコロナ禍の影響で大幅減収損益
2021年3月期の連結業績は、売上高が2020年3月期比24.0%減の11,293百万円、営業損失が462百万円(2020年3月期は104百万円の損失)、経常損失が381百万円(同43百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が433百万円(同13百万円の損失)であった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によるマイナス影響(百貨店や直営小売店の臨時休業・時短営業、外出自粛による個人消費低迷など)を大きく受けて大幅減収損益であった。
3. 2022年3月期予想は未定だが黒字回復目指す、収益回復基調
2022年3月期の連結業績予想及び配当予想については、コロナ禍の収束時期が見えない状況のため未定としている。ただし売上面は不透明でも、2021年3月期に実施した人件費削減策や経費削減策などコスト削減効果で黒字化を目指すとしている。弊社では、コロナ禍のマイナス影響が2022年3月期後半に向けて和らぎ、コスト削減効果も寄与して収益回復基調と見ている。
4. 新規販路開拓と商品アイテム拡充でコト提案型企業への変革加速
中期経営計画2020「改革 −過去からの脱皮−」では、経営ビジョンに「人と人の繋がりを大切にするコト提案型企業を目指す」を掲げ、収益回復に向けた2022年3月期の重点課題としては、「新規販路の開拓」「EC事業の拡大」「収益の改善」「マーケティング活動及び広報活動の強化」「SDGsの取り組み」を掲げている。代表取締役社長の岡野将之(おかのまさゆき)氏は、「厳しい経営環境が続くが、2022年3月期は黒字回復必達の思いで臨む。さらに中期成長に向けて、親会社となった一広との連携も強化して新規販路開拓と商品アイテム拡充に注力したい」と意気込みを語っている。コト提案型企業への変革加速で中期成長を期待したい。
■Key Points
・ハンカチーフ、スカーフ・マフラー、フレグランスなど服飾雑貨の老舗専門商社
・2022年3月期予想は未定も、黒字回復目指す。収益回復基調
・新規販路開拓と商品アイテム拡充でコト提案型企業への変革加速
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<NB>
川辺<8123>は服飾雑貨の製造卸売・小売を展開する老舗の専門商社である。ファッションを先取りする「インターモード川辺」として多様な消費者ニーズに対応し、2023 年2月に創業100周年を迎える。なお第1位株主であったタオル製造販売大手の一広(株)(愛媛県今治市)が2021年1月29日付でTOB(株式公開買付け)を実施して同社の親会社となった。
1. 身の回り品事業とフレグランス事業を展開する専門商社
ハンカチーフ、スカーフ・マフラー、タオル、雑貨等を販売する身の回り品事業、香水等を販売するフレグランス事業を展開し、海外有名ブランドの百貨店向け卸売を主力としている。事業別の売上高構成比は身の回り品事業が8割強、フレグランス事業が1割強、品目別の売上高構成比はハンカチーフが6割強で推移している。ただし直営小売やEC通販の強化、新規販路の開拓などで百貨店向けの売上構成比は低下傾向である。
2. 2021年3月期はコロナ禍の影響で大幅減収損益
2021年3月期の連結業績は、売上高が2020年3月期比24.0%減の11,293百万円、営業損失が462百万円(2020年3月期は104百万円の損失)、経常損失が381百万円(同43百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が433百万円(同13百万円の損失)であった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によるマイナス影響(百貨店や直営小売店の臨時休業・時短営業、外出自粛による個人消費低迷など)を大きく受けて大幅減収損益であった。
3. 2022年3月期予想は未定だが黒字回復目指す、収益回復基調
2022年3月期の連結業績予想及び配当予想については、コロナ禍の収束時期が見えない状況のため未定としている。ただし売上面は不透明でも、2021年3月期に実施した人件費削減策や経費削減策などコスト削減効果で黒字化を目指すとしている。弊社では、コロナ禍のマイナス影響が2022年3月期後半に向けて和らぎ、コスト削減効果も寄与して収益回復基調と見ている。
4. 新規販路開拓と商品アイテム拡充でコト提案型企業への変革加速
中期経営計画2020「改革 −過去からの脱皮−」では、経営ビジョンに「人と人の繋がりを大切にするコト提案型企業を目指す」を掲げ、収益回復に向けた2022年3月期の重点課題としては、「新規販路の開拓」「EC事業の拡大」「収益の改善」「マーケティング活動及び広報活動の強化」「SDGsの取り組み」を掲げている。代表取締役社長の岡野将之(おかのまさゆき)氏は、「厳しい経営環境が続くが、2022年3月期は黒字回復必達の思いで臨む。さらに中期成長に向けて、親会社となった一広との連携も強化して新規販路開拓と商品アイテム拡充に注力したい」と意気込みを語っている。コト提案型企業への変革加速で中期成長を期待したい。
■Key Points
・ハンカチーフ、スカーフ・マフラー、フレグランスなど服飾雑貨の老舗専門商社
・2022年3月期予想は未定も、黒字回復目指す。収益回復基調
・新規販路開拓と商品アイテム拡充でコト提案型企業への変革加速
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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