下方にテクニカルの壁 売り一巡後には下げ渋りへ
昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 53.79 ドル高の 34987.02、ナスダック総合指数は 101.32 ポイント安の 14543.13 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28040 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、大陰線が出現。下方の窓を埋めており、直実に調整色が強まっている。ただ、まだ、窓を半分程度しか埋めておらず、本日はその残りを埋めることになるだろう。
その際の下値メドとして意識されるのが、もちろん下方の窓下限(28000.02 円)である。シカゴ日経平均先物がすでにその水準となっていることから、売り一巡後はいったん下げ渋ることが予想される。同時に上方に窓が出現するため、その瞬間に需給が逆転。リバウンドを後押しすることになる。
ただ、上方にはすでにファンダメンタルズの壁が3つ出現しており、これが着実に切り下がっている。軸が下向きに傾いていることを意味しており、戻ったところでは上値を抑えられやすい。場合によっては窓を埋めることができずに、そのまま下落してしまう可能性すらある。
あとは下方に位置している大きなテクニカルの壁(需給の壁)との攻防である。6/21 の急落時には日銀 ETF 買いの出動によって、この壁の出現が明確となった。しかし、7/9 の急落時には「その思惑」だけが相場を支えており、将来的にこの壁が消滅する可能性が高まっている。下方ブレイクのリスクがくすぶっており、それを投資家は強く認識する必要があるだろう。
もちろん相場を押し下げているのは、コロナの感染拡大と医療崩壊の危機だ。それが政治リスクを高めており、投資家がリスク回避の姿勢を強めている。もし、オリンピック期間中に深刻な事態に陥れば、悲劇的な株価急落を引き起こすかもしれない。
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