下落幅の拡大に注意
昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 44.44 ドル高の 34933.23、ナスダック総合指数は 32.70 ポイント安の 14644.95 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28505 円付近での推移。したがって、本日の東京株式相場はやや軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、窓を空けて下落。弱気相場に転じており、上方には新たなファンダメンタルズの壁(割高の壁)が確認されている。相場は改めて下落しやすくなっており、目先は調整色を強めることになりそうだ。
日経平均の日足チャートの下方には大きな窓が広がっており、短期的にはこの窓が株価を引き寄せやすい。急速に下落幅が拡大する恐れがあり、投資家は注意する必要がありそうだ。
米国ではパウエル議長の議会証言があったが、市場の警戒感をやや緩めるものであった。「インフレは一時的」としており、「拙速な利上げはない」としている。一部の投資家からは疑いの目で見られているものの、市場はいったん落ち着いた動きを示している。
市場にとってもっとも恐ろしいのは、国内でのコロナ感染拡大だ。昨日の東京の感染者は1000 人を超えており、「第5波」が濃厚となっている。オリンピックの開催が接近するなか、さらなる感染拡大は不可避のようにも思える。医療崩壊が現実味を帯びており、それが政治リスクを高める可能性は十分にある。
あと、西村経済再生相の種類販売業者への取引停止要請の撤回も、政治リスクを高めることになっている。菅政権の迷走ぶりが露呈されており、それが「秋の政局」を予感させる状態となっている。「与党敗北」「政権交代」という事態となれば、前回の民主党政権の株価急落が想起される。敏感な投資家はいち早く反応することになり、それが「先行的な株安」を招く恐れがある。チャートも明確に「下方向」を示しており、事実が後からついてくる可能性は十分にある。
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