「やや堅調スタートも、警戒感は強い」~黒岩の眼(朝刊)

著者:黒岩泰
投稿:2021/07/02 08:48

チャートは弱気形状 買い一巡後は下値を試す

http://chart.fisco.co.jp/mado

 昨日の米国株式相場は上昇。ダウ工業株 30 種平均は 131.02 ドル高の 34633.53、ナスダック総合指数は 18.42 ポイント高の 14522.38 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28750 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はやや堅調スタートを想定。リバウンドを試す動きになると思われる。

 日経平均の日足チャートでは昨日、連日の陰線が出現。買い一巡後に上値が重くなっており、ザラ場での売り圧力の強さを示している。

 本日も堅調スタートが予想されるものの、基本的にチャートは弱気形状。買い一巡後は下値を試す動きとなりそうだ。

 市場が気にしているが、今晩の米雇用統計。市場予想は 70 万人増であり、これに対して実際にはどのような数字となるのか。もし、これよりも強い数字が出て、FRB のタカ派色が強まれば、株価にとってマイナスとなる。逆に弱い数字が出て、ハト派色が強まれば、株価にとって追い風になるのだろう。いずれにしても市場がどのような評価をするのか――ということになる。

 もちろん本日は週末であり、こういったイベントを控えていることもあり、東京市場では警戒感が強まりやすい。「分かんないから、とりあえずポジションを閉じておこう」という雰囲気となれば、引けにかけて値を消すかもしれない。そういった事情もあり、投資家は「弱気スタンス」を維持するしかないだろう。

黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想