「米実質金利」より「米名目金利」…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2021/05/18 10:17

◆ 「テーパリング期待」はさらに後退も…? - 109円前半


『緩和縮小を協議する時期ではない(クラリダFRB副議長)』『緩和策はさらに推し進める必要有(ボスティック・アトランタ連銀総裁)』との発言が相次ぐなど、「テーパリング期待」はさらに後退しました。
しかし一時“1.602%台”へと低下した「米10年国債利回り」が急速に“下げ渋った”こともあり、“金利選好→ドル売り”も後退する格好となりました。
このため「方向感定まらず」から抜け出すことはなく、ドル円は“膠着(109円前半~半ば)”を続けています。

◆ ただ「次なる材料待ち」は継続


「米実質金利(名目金利-期待インフレ)低下」をテーマにした“ドル売り”が意識されていますが、これは主に“長期動向”を探るものです。
“短期動向”を探る上での注目はやはり「米名目金利(米10年国債利回り)」といえますが、その「米10年国債利回り」は昨日の反発で懸念する“1.65%”をわずかながらもを上回りました。
まだ現時点では“明確”とはいえませんが、「110円トライへの重石」がまた一つ、和らいだ格好ともいえます。

「方向感定まらず」を変えるほどの材料が出現していないだけに、本日も“膠着(109.00-70円の範囲内)”と見るのが妥当ではあります。
それでも“109.00円”に展開する「ドル買いオーダー」の“分厚さ”を考えれば…?

“上値の重さ”はそのままに、“下値もしっかり”といった展開が想定されるところですが、本日は“後者が上回る”により期待を傾けたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:109.784(5/13高値、日足・一目均衡表先行スパン上限)
上値4:109.651(5/14高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:109.500(5/17高値、5/13~5/17の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:109.428(5/13~5/17の50%戻し)
上値1:109.344(5/13~5/17の38.2%戻し、+1σ)
前営業日終値:109.239(週足・一目均衡表転換線、100月移動平均線)
下値1:109.072(5/17安値、50日移動平均線、日足・一目均衡表転換線、50月移動平均線、5/11~5/13の50%押し水準、ピボット1stサポート)
下値2:109.000(大台)
下値3:108.892(200週移動平均線、20日移動平均線、4/23~5/13の38.2%押し、5/11~5/13の61.8%押し、ピボット2ndサポート)
下値4:108.631(4/23~5/13の50%押し、日足・一目均衡表基準線、ピボットローブレイクアウト)
下値5:108.552(5/12安値)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想