上昇スタートも、弱気相場が鮮明 先安感が残る
昨日の米国株式相場は上昇。ダウ工業株 30 種平均は 433.79 ドル高の 34021.45、ナスダック総合指数は 93.31 ポイント高の 13124.99 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 27760 円付近での推移。したがって、本日の東京株式相場は堅調スタートを想定。リバウンドを試すと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、下方の窓を突き抜けて下落。弱気相場が鮮明になっており、先安観が残っている。本日は米国株の上昇を受けていったんは上昇するものの、買いが継続するかは微妙な情勢だ。
米国株が上昇したのは、米長期金利が低下したから。米生産者物価指数(PPI)はコア指数が前年同月比で 4.6%も上昇したものの、前日の消費者物価指数の上昇でインフレが一定程度、織り込まれており、逆に材料出尽くし感が出たのが現状だ。米長期金利の落ち着きを好感して、前日に売られていたハイテク株などが上昇。米国株を押し上げる流れとなった。
日経平均は米株高を受けて、200 円から 300 円程度上昇してスタートすると思われるが、基本的には弱気相場。買いが継続するかは微妙な情勢だ。短期的に下値メドとして意識されるのは、下方に空いている窓(27196.40 円―27340.46 円)。240 円ほどの下落余地があり、本日の買い先行で「売り妙味」が増す展開となりそうだ。
頼みの日銀 ETF 買いは完全に放置プレイ。「買い支え役」とはなっておらず、事実上、「自由落下」を容認している格好だ。市場参加者が「ステルス・テーパリング(隠れた緩和縮小)」を意識せざるを得なくなっており、それが株価にもろに響いている。投資家たちがこうした疑念を払拭するのには、少し時間がかかるだろう。
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