チャートは短期的には下方の窓を埋めやすいが、強気形状は維持
本日の日経平均は 302.42 円高の 30216.75 円で取引を終了した。朝方は米株高を受けて堅調スタートとなったあとは、さらに上値を試す動き。米 FOMC を無難に通過したことで、買い安心感が強まった。
ただ、後場に入ってからは急速に上値が重くなる展開。一部報道で「長期金利の変動幅の拡大」「ETF買い年6兆円の目安をなくす」などと報じられ、にわかに長期金利が上昇。つられて株が売られる展開となった。日経平均のローソク足では長い上ひげが出現。上値の重さを示している。
明日の日銀金融政策決定会合を待たずに、ちょっとフライング気味で出てきた一部報道。日経が報じただけに、その信ぴょう性は極めて高いだろう。同時に明日のイベントはこれにて終了。一連の中銀イベントは終わったということになる。
市場が怖がっていたのは、金融引き締めの明確なアナウンス。米FRBは執行部が金利予想によって当面の緩和継続を示唆。日銀はETFの機動的な運用、金利幅拡大によって、「引き締めではない」ことを暗に訴えている。双方とも将来的な引き締め観測は残るものの、それは「今ではない」といった主張。マーケットもその「言い訳」を素直に受け入れており、穏やかにやり過ごしている。当局が恐れていたのが、市場による勇み足や誤解、そして下落といった催促だ。それが回避された感じとなっており、そこには一定の買い安心感がある。
日経平均の日足チャートでは、「上方にひげ・下方に窓」という典型的な「窓・ひげ理論」の形となっている。需給的には下方の窓を埋めやすく、一時的に調整を余儀なくされるかもしれない。
ただ、強気形状は維持しており、将来的な上昇の可能性を残している。「短期的には下落だが、中長期的には上昇」――そういったイメージとなる。明日の日銀金融政策決定会合を過ぎれば、完全に重要イベントは通過となる。市場はリスク・テイクしやすい環境となり、改めて上値を試す動きとなるだろう。投資家は「買いポジション」を維持しながら、下方の窓のサポート機能を見守ることになる。
<マーケット・ストーリー>
突然、モヒカン男が登場した。頭頂部から長い髪をおっ立て、何か叫んでいる。「もう、イベントは終了だ」――どうやら、ビニール塊を無事に着地させたいらしい。何か良い方策でもあるのだろうか・・・。
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