今週も、バイデン政権の追加の大型経済対策を好感し、堅調な動きが続く可能性

著者:出島 昇
投稿:2021/01/12 17:18

先週は週半ばまでは軟調だったが、米国、民主党の「トリプルブルー実現」で日米ともに大幅高

 先週の新春、第1週目は、年末の株高を受けついで、しっかりした動きが想定されるものの、コロナ感染者数が拡大しており、5日のジョージア州の決選投票で民主党が2議席をとれるかどうかが注目されました。それまでは日経平均は3日連続安でしたが、ジョージア州の選挙で民主党が2議席獲得し、いわゆる「トリプルブルー」となり、これを受けて、追加の経済対策への期待が高まり、NYダウは大幅高となり、その後は2日連続で3指標が史上最高値を更新する動きとなりました。この流れの中で米国株との出遅れ感から外国人が日本株を買いに入り、週後半は2日連続の大幅高となり、週末8日(金)は、△648円の28139円と1990年8月8日以来(28509円)の30年5ヶ月ぶりの高値水準で引けました。

 1月4日(月)は、昨年末の米株高の流れから、△131円の27575円で寄り付くものの、管首相が週内にも1都3県の「緊急事態宣言」発令の検討報道を受け、マイナスへ転換し、終値では▲185円の27258円と続落しました。

 5日(火)は、前日の年初の米国株が、コロナ感染者数が2000万人を上回ったことや、ジョージア州での民主党が勝った場合の増税懸念から3指標そろって大幅反落となったことで、日経平均は▲107円の27151円で寄り付き、一時▲184円の27073円まで下げましたが、終値では▲99円の27158円の続落でした。

 6日(水)は、前日の米国市場は、サウジアラビアが減産したことで、原油価格が上昇し、12月ISM製造業景況指数が予想を上回る強い結果となったことで、3指標そろって反発したものの、為替が1ドル=102円台の円高となったことを嫌気し、日経平均は一時▲156円の27002円まで下げて終値は▲102円の27055円と4日続落となりました。

 7日(木)は、前日の米国市場は、ジョージア州での選挙結果は、民主党が2議席獲得し、大統領、上院、下院が民主党一党による「トリプルブルー」となったことで、追加の経済対策への期待から、NYダウが△437ドルの30829ドルと急騰し、為替も円安方向となったことで、日経平均は△434円の27490円と大幅反発となりました。

 8日(金)は、前日の米国市場は、民主党の「トリプルブルー」実現で次期バイデン政権による追加経済対策への期待が高まり、3指標そろって最高値更新となり、これを受けて日経平均は外国人の日本株出遅れを狙った買いで△648円の28139円と1990年8月8日(28509円)以来の30年5ヶ月ぶりの高値水準となりました。

 日本の上昇は、米株式に連動して相対的に買われているだけの上昇です。米国株自体も、これまでの市場の見方は、議会のネジレのない民主党の「トリプルブルー」が実現し、金持ち優遇税制の廃止、規制強化を主張していますので株式市場にとってはマイナスというものでしたが、これには全くふれず、いいとこどりの上昇相場となっています。いずれトランプ大統領がやってきた金融緩和策と株高の調整局面が民主党政権のもとで起こることになります。

 8日(金)の日本市場の引け後の米国市場は、民主党政権への景気対策への期待が強い中、3日連続で3指標は史上最高値を更新しました。しかし、昨年12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比14万人減と8ヶ月ぶりにマイナスを記録しました。市場予想は、7万1000人のプラスでした。コロナ感染拡大による雇用情勢の悪化が示されましたが、バイデン政権への期待から下値の堅い展開が続きました。

 昨日11日(月)は日本市場は休場でした。昨日の米国市場は、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が加速していることで、経済活動が規制されるデメリットに対する警戒感や、また、バイデン新政権のスタートを目前に控える米国で、トランプ米大統領の罷免問題など政局不安が浮上し、全体相場の上値を押さえる要因となり、NYダウは終始軟調な展開で▲89ドルの31008ドルとマイナスで引けました。

今週も、バイデン政権の追加の大型経済対策を好感し、堅調な動きが続く可能性

 今週は、先週末にバイデン次期大統領が大型の追加景気対策を発表し、NYダウは3日連続の史上最高値更新となったことで、日経平均もこの流れを受け、堅調な動きが想定されます。トランプ大統領の横やりによる政治情勢の不透明感も解消し、経済指標も好調なので米長期金利が上昇し、ドル買い、株高となっています。

 ただし、長期金利がどこまで続くのかは限定的といえます。新型コロナウイリスの再拡大で、景気減速の懸念は根強く、そのためにFRBによる金融緩和の長期化観測が、さらなるドル高を抑制する可能性があります。1月15日発表の12月小売売上高は前月比減少が予想されており、個人消費の弱さが鮮明になれば、製造業の業績回復ペースの鈍化が懸念された場合は、株価の下押し要因となり、長期金利も反落して円高方向となる可能性もあります。

 日経平均は、米株次第ですので、上述したように米政治情勢の不透明感が後退してバイデン次期大統領の追加大型経済対策発表で米株が上昇しており、日経平均も連動することになります。特に12月の景況指数は製造業および非製造業ともに大きく予想を上回っており、株価の上昇要因となっています。しかし、上昇は目先一服してもおかしくないところにきていますので、キッカケがあるとしたら個人消費の悪化から、米長期金利が下落して、ドル売り・円高となり、株価を下押しするという場合になります。目先は「全員参加型」の強気相場となっており、1月20日の大統領就任式までは、楽観ムードが続く可能性があり、その後は要注意となります。

 12日(火)は、トランプ米大統領の弾劾をめぐる米政治の混乱が警戒されたことや米国株式が下落した流れを受け、▲135円の28004円で寄り付き、一時28000円を割り込む場面もありましたが、売り一巡後は、いったん上げに転じ、一時△148円の28287円戻しました。その後は、再度マイナス圏に沈みましたが、後場は前週末の終値を挟んだもみ合いとなり、大引けは△25円の28164円とプラスで引けました。

(指標)日経平均

 先週は、新年の始めの週で、国内はコロナ感染者の拡大の更新が続き、米国ではジョージア州の選挙で民主党が2議席確保なるかどうかが注目と国内ではSQを控え様子見が強いと見ていました。

 週前半の日経平均は、3日連続安となったものの、米国市場は原油高や強い経済指標に加え、ジョージア州では民主党が2議席確保の見通しとなったことで大幅高となって3指標が史上最高値を更新する動きとなり、日経平均は外国人の買いの勢いが強まり、週後半は2日連続の大幅高で引け、8日(金)は△648円の28139円と30年5ヶ月ぶりに28000円台を回復し高値引けとなりました。

 NYダウは、先週末の週末8日(金)を入れて3日連続の史上最高値更新となりました。民主党がジョージア州で2議席確保し、ネジレ議会が解消するトリプルブルーとなりました。週末にバイデン次期大統領は会見で数億ドルの規模の追加経済対策を発表しましたので、今週は米国は引き続き堅調な動きとなり、日経平均はあくまでも米株に連動しているため、米政治情勢の不透明感が後退し、経済指標は好調なので米株式は上値を追い、日経平均も目先は連動することになりそうですが、20日の大統領就任式以降は注意が必要です。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、5日のジョージア州の選挙で民主党が2議席確保するかどうかが注目となりました。議席がそのままだとネジネ議会が続くため、トランプ大統領の金持ち優遇、株高の政策を共和党は支持するため、本来主張している優遇税制措置廃止、規制強化が進まないので株式市場にとってはよいとされる見方でした。

 ところが、結果的には、2議席確保で「トリプルブルー」となり、民主党が主張を自由に通せる体制となりましたが、株価は新政権の経済対策を期待して大幅上昇となりました。今はいいとこどりの上昇相場ですので、民主党政権が本格的に動きだすと、株価は当然、調整となってくることになります。

 今週はバイデン政権の大型のインフラ経済対策への期待から、NYダウは3日続伸の最高値更新となりました。

「トリプルブルー」成立のあと、追加の経済対策が期待され、株価は上昇しましたが、追加経済対策の一環となる2000億ドル規模の追加国民給付金に関し、一部、民主党議員が反対を示すと株価は一時、下落に転じました。バイデン次期大統領が会見で、数億ドルの規模の追加経済策を発表すると引けにかけ再び上昇しました。この大型の追加経済対策をめぐって、今週も相場は高値圏での値動きとなりそうです。又、大規模な財政拡大により、米国債相場が長期的な上昇サイクルから下落サイクルに転換するとの見通しもあり、債権市場から株式市場へ資金が移動することも考えられます。
 

 

(指標)ドル/円

 先週は、英国とEUの自由貿易協定の発動を好感して、リスク回避的なドル売り・円買いはひとまず縮小し、1月5日のジョージア州の選挙で民主党が2議席獲得したことで、バイデン政権の追加経済対策への期待が高まり、米長期金利が上昇し、株高、ドル高となりました。102.59円まで進んだ円高は103.98円の円安で引けました。

 今週は、バイデン次期大統領の大型経済対策発表で、長期金利が上昇し、ドル買い・円売り材料となりますが、一方で新型コロナの再拡大で、ワクチン接種の期待よりも景気減速懸念が根強く、金融緩和の長期化観測がさらなるドル高を抑制すると見られています。個人消費の動きが経済の弱さを鮮明にすれば長期金利は反落し、ドル売り要因となるため、今週のドルは伸び悩みとなりそうです。
 

 

配信元: みんかぶマガジン
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