■要約
ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手。新規事業としてbizsky(ビズスカイ)プラットフォーム事業や子会社で展開する事業承継支援サービス、bizocean(ビズオーシャン)等の事業を育成中である。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比12.2%減の16,522百万円、営業利益で同35.8%減の2,489百万円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響や前年のパソコン特需の反動減が要因だ。ただ、中堅・中小企業向けERP製品による新規顧客の開拓が順調に進み、クラウドサービスも着実に拡大していることから、ストック型のサービス収入は前年同期比11.0%増と好調を持続した。また、同社がKPIとしているシステム導入契約売上高※の受注残(単体)も5.17カ月と期首時点から0.52カ月上積みできており、コロナ禍で市場環境が厳しいなかにおいては堅調な業績だったと言える。
※システム導入契約売上高=ハードウェア・ソフトウェア・ユースウェアの合計売上高
2. 2021年3月期業績見通し
2021年3月期の業績予想は売上高で前期比5.6%減の33,500百万円、営業利益は同15.8%減の4,400百万円と期初計画(売上高36,000百万円、営業利益3,580百万円)に対して、売上高は下回るものの営業利益は上方修正している。売上高の下振れはコロナ禍の影響による関係会社の業績低迷が要因で、同社単独売上高については期初計画通りとなる。一方、利益面ではサービス収入が期初計画を上回って推移していることに加えて、原価低減や経費削減が進んでいることが要因となっている。第2四半期までの営業利益の進捗率は56.6%となっており、通期計画の達成は可能と弊社では見ている。
3. 2025年度に向けての展望
同社は2025年度に向けた中期経営計画を現在策定しており、2021年5月頃に発表される見通しだ。基本戦略は、既存ERP事業のサブスクリプションモデルへのシフトを推進すること、M&Aによる事業領域拡大とグループシナジーによって新たな収益柱を確立すること、クラウドサービス提供基盤となる「bizskyプラットフォーム」を拡張し、中小企業の業務支援を行うプラットフォームとしての地位を確立すること等が挙げられる。こうした戦略を推進していくために不足しているリソース(AI、ブロックチェーン技術等)については、M&Aやアライアンスにより積極的に取り込んでいく方針となっている。こうした戦略が実現すれば、同社の業績も飛躍的な成長を遂げる可能性があり、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計業績は減収減益ながらも、サービス収入が好調で利益は想定を上
回ったもよう
・2021年3月期業績は売上高を除いて期初計画を上方修正、今後の状況によっては上振れの可能性も
・M&Aも活用しながらbizskyプラットフォームの拡張を図り、高成長実現に向けた成長エンジンに育てていく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手。新規事業としてbizsky(ビズスカイ)プラットフォーム事業や子会社で展開する事業承継支援サービス、bizocean(ビズオーシャン)等の事業を育成中である。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比12.2%減の16,522百万円、営業利益で同35.8%減の2,489百万円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響や前年のパソコン特需の反動減が要因だ。ただ、中堅・中小企業向けERP製品による新規顧客の開拓が順調に進み、クラウドサービスも着実に拡大していることから、ストック型のサービス収入は前年同期比11.0%増と好調を持続した。また、同社がKPIとしているシステム導入契約売上高※の受注残(単体)も5.17カ月と期首時点から0.52カ月上積みできており、コロナ禍で市場環境が厳しいなかにおいては堅調な業績だったと言える。
※システム導入契約売上高=ハードウェア・ソフトウェア・ユースウェアの合計売上高
2. 2021年3月期業績見通し
2021年3月期の業績予想は売上高で前期比5.6%減の33,500百万円、営業利益は同15.8%減の4,400百万円と期初計画(売上高36,000百万円、営業利益3,580百万円)に対して、売上高は下回るものの営業利益は上方修正している。売上高の下振れはコロナ禍の影響による関係会社の業績低迷が要因で、同社単独売上高については期初計画通りとなる。一方、利益面ではサービス収入が期初計画を上回って推移していることに加えて、原価低減や経費削減が進んでいることが要因となっている。第2四半期までの営業利益の進捗率は56.6%となっており、通期計画の達成は可能と弊社では見ている。
3. 2025年度に向けての展望
同社は2025年度に向けた中期経営計画を現在策定しており、2021年5月頃に発表される見通しだ。基本戦略は、既存ERP事業のサブスクリプションモデルへのシフトを推進すること、M&Aによる事業領域拡大とグループシナジーによって新たな収益柱を確立すること、クラウドサービス提供基盤となる「bizskyプラットフォーム」を拡張し、中小企業の業務支援を行うプラットフォームとしての地位を確立すること等が挙げられる。こうした戦略を推進していくために不足しているリソース(AI、ブロックチェーン技術等)については、M&Aやアライアンスにより積極的に取り込んでいく方針となっている。こうした戦略が実現すれば、同社の業績も飛躍的な成長を遂げる可能性があり、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計業績は減収減益ながらも、サービス収入が好調で利益は想定を上
回ったもよう
・2021年3月期業績は売上高を除いて期初計画を上方修正、今後の状況によっては上振れの可能性も
・M&Aも活用しながらbizskyプラットフォームの拡張を図り、高成長実現に向けた成長エンジンに育てていく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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