27日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で6日続伸、本土銀行セクター上げ主導

配信元:フィスコ
投稿:2020/11/27 18:00
27日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比75.23ポイント(0.28%)高の26894.68ポイントと6日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も88.81ポイント(0.83%)高の10790.30ポイントと続伸した(ハンセン指数は約9カ月ぶりの高値)。売買代金は1127億2000万香港ドルとなっている(26日は1136億3900万香港ドル)。


中国景気の持ち直しが意識される流れ。朝方公表された10月の全国工業企業利益は28.2%増となり、伸びは9月の10.1%から大幅に拡大した。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給も支え。人民銀は27日、リバースレポを通じ1200億人民元を市中に供給した。今週は5日連続で資金供給を実施し、期日到来分と差し引きで週間1300億人民元の供給超となっている。本土株の上げ幅拡大や、時間外取引にNYダウ先物高をにらみながら、ハンセン指数は後場途中からプラスに転じた。(亜州リサーチ編集部)


本土銀行セクターが上げを主導。交通銀行(3328/HK)が4.6%高、中国工商銀行(1398/HK)が4.3%高、中国農業銀行(1288/HK)が3.5%高で取引を終えた。利ザヤ改善の期待が高まっている。人民銀が26日に発表した四半期ごとの金融政策リポートで、国内銀行による新規貸出の加重平均金利が上昇傾向にあることが分かった。


中国の不動産セクターもしっかり。中国恒大集団(3333/HK)が4.0%高、中国海外発展(688/HK)が3.3%高、華潤置地(1109/HK)と融創中国HD(1918/HK)がそろって2.4%高、中国金茂HD(817/HK)と碧桂園HD(2007/HK)がそろって2.3%高と値を上げている。華潤置地が販売開始した深セン市の新築住宅団地(1171軒)が13時間足らずで完売するなど、住宅販売の好調が伝えられた。


他の個別株動向では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が6.1%高と大幅続伸。9月中間決算の黒字転換が引き続き手がかりとなった。このほか、宝飾小売店チェーンを展開する六福集団(590/HK)が3.0%高。中間決算は4割減益を強いられたが、既存店売り上げが足元で回復していることを好感した。


半面、石油関連はさえない。業界大手3社の中国石油化工(サイノペック:386/HK)と中国海洋石油(CNOOC:883/HK)がそろって1.6%安、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が0.8%安で引けた。


非鉄やレアアース、段ボールなどの素材関連も安い。江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が3.1%、中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が2.2%、江西銅業(358/HK)が1.6%、理文造紙(2314/HK)が3.1%、玖龍紙業(2689/HK)が2.0%ずつ下落した。


一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.14%高の3408.31ポイントで取引を終えた。時価総額上位の金融株が相場をけん引する。不動産株、自動車株、消費関連株、防衛関連株、ハイテク株、医薬品株なども買われた。半面、発電株は安い。海運株、エネルギー株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)


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