NZドル/円、「感謝祭トレード」がワークするか

著者:津田隆光
投稿:2020/11/27 10:02

典型的な上昇トレンドを示すチャート形状

NZドル/円・日足・複合チャート
NZドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】“上昇バンドウォーク”継続成否
【見通し1】継続なら、「74.000円」付近までの上値トライも
【見通し2】「72.740円」割れなら、「71.700円」付近までの下押しも
【季節的アノマリー】「感謝祭トレード」

ここもと、NZドル/円が強気基調を継続しており、年初来高値(73.299円、1/16)を射程圏内に入れる動きとなっています。

上図チャートを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりとなっていること、2) 遅行スパンがローソク足の上方で推移していること、3) ローソク足の下方に青色の雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、NZドル/円・日足チャートでは、典型的な上昇トレンドを示すチャート形状となっています。

その他メルクマールでは、a) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、また、b) BB・±2σラインが21日MAに対して拡張する“エクスパンション”となっていること合わせると、これからの時間におけるNZドル/円は、徐々に上値を切り上げる相場展開となりそうです。その場合は、BB・+2σラインを基準とする「74.000円」付近を、喫緊における上値トライのターゲットとして捉えるべきでしょう。

一方で、これからの時間にかけて、仮にローソク足がBB・+1σライン(≒72.740円)を終値ベースで下回った場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」となり、一旦反省相場となる可能性も。その場合は、青色の雲の上辺である先行1スパン(≒71.700円)付近までの下押しを想定すべきでしょう。ただし、27日時点における先行スパンの上下辺は比較的大きな乖離があることから、「分厚い雲の存在」=「強い下値サポート帯」となり得そうです。よって、一旦の下押しがあった場合は、押し目買いがワークしそうです。

足もとにおけるNZドル/円の強気基調については、10月末(上図青色三角印)を起点とする、季節的アノマリーである、いわゆる“ハロウィン・ルール”に準じた動きの一環と捉えて良いでしょう。

そんな中、NZドルのもう一つの季節的アノマリーを見るために、季節的な循環であるシーズナル・チャート(Equity Clock)を以下、ご覧ください。

NZドルは感謝祭を起点に上昇しやすい?

NZD シーズナル・チャート
NZD シーズナル・チャート出所:EquityClock.com

上図チャートからも分かる通り、過去20年における月別平均騰落率の傾向・パターンを見てみると、「NZドルは11月末の“感謝祭(サンクスギビング)“(上図赤色三角印)を起点として、年末(Xmas)まで強気基調になりやすい」との仮説を立てることが可能です。(=感謝祭トレード)

ちなみに、過去10年におけるNZドル/円の「感謝祭買い、年末売り」の勝敗および勝率※は「8勝2敗(.800)」となっていることから、「相場は確率が高いと想定する方にbetするゲーム」という観点でいうと、感謝祭前後でのエントリーも一案なのかもしれません。(※当該期間の終値ベースで、陽線引け:「勝ち」、陰線引け:「負け」としています。)

適宜ストップロス注文やトレール注文等のリスク管理を徹底した上で、あくまで季節的なアノマリーをベースとするトレード・アイデアの一つとして捉えていただければ幸いです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想