明日の株式相場に向けて=「好業績の中低位材料株」に照準
きょう(18日)の東京株式市場は久々に利益確定の売りに晒される格好となり、日経平均株価が286円安の2万5728円と3日ぶりに反落した。
前日の米国株市場では10月の小売売上高が市場コンセンサスに届かず、NYダウが一時400ドルを超える下げをみせるなど軟調だった。日経平均は前日に29年半ぶりに2万6000円というメルクマールに到達したが、11月に入ってから半月あまりで3000円以上も水準を切り上げており、さすがにスピード違反でそろそろ押し目を形成しなければ、逆にクラッシュを警戒せざるを得ない局面にあった。その意味で、ここでのガス抜きは大勢上昇トレンドを維持するうえでは健全である。
しかし、気になるのは新型コロナウイルス感染者数の増加で、きょうは東京都の1日当たり感染者数が493人と急増し過去最多を記録、後場はこのニュースにアルゴリズムが反応して、先物を絡め日経平均の下げ幅を広げる要因となった。市場では「木曜日に発表される感染者数は多くなりがちで、あすも警戒は募る」(国ネット証券アナリスト)という声が出ていた。先物を絡めた売り仕掛けがあれば、日経平均に連動する主力銘柄には向かい風が強くなる。こうなると、既に定石化している「地政学リスク発生→全体指数下落→防衛関連株買い」の構図と一緒で、川本産業<3604.T>やアゼアス<3161.T>、中京医薬品<4558.T>などの銘柄に資金が流れる。今は有事のコロナ仕様で、防衛関連株ではなく「防疫関連株」に物色の矛先が向く。
また、個別では中小型株に厳しい地合いだったが、マザーズ指数がとりあえず75日移動平均線を車輪止めにして下げ止まる動きをみせており、今度は上昇一服局面を迎えた日経平均を横目に、中小型株に目が向きやすくなる。投資マネーは株価が低い位置にある銘柄にやや飢えている印象を受けるが、これまで決算発表シーズンに絡む不安心理が邪魔をして、なかなか低位株には資金の流れが形成されなかった事情がある。
その鬼門の決算発表を通過したところで今はチャンスである。例えば株価200円台前半に位置するSEホールディングス・アンド・インキュベーションズ<9478.T>は書籍のオンライン販売や電子書籍が好調なほか、教育やIT関連の人材ビジネスが収益に貢献していることが確認された。20年4~9月期営業利益は前年同期比7割増の4億400万円で、対通期進捗率も67%と既に第2四半期時点で3分の2に達している。
株価400円台のフジクラ<5803.T>は4~9月期の最終損益が赤字見通しから一転黒字化しこれが好感される形でマドを開けて買われたが、その後もジリジリと水準を切り上げている。同社株のポイントは株式需給だ。信用取組は大幅に売り長で直近信用倍率は0.37倍。日証金では逆日歩がつく状態にある。
このほか、株価がまだ3ケタ台の銘柄で探すと、菅首相肝いりのデジタル行政関連ではソフト受託開発会社で官公庁向けに実績が高いKYCOM<9685.T>や、訪問介護を主力とする介護サービス会社でAI搭載ロボット分野に経営資源を投下するセントケア・ホールディング<2374.T>なども好決算を発表済みで、今後一段の上値追いが期待できる。
あすのスケジュールでは、10月の首都圏・近畿圏のマンション販売など。また、アララ<4015.T>が東証マザーズに新規上場する。海外では11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の米中古住宅販売件数、10月の米景気先行指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
前日の米国株市場では10月の小売売上高が市場コンセンサスに届かず、NYダウが一時400ドルを超える下げをみせるなど軟調だった。日経平均は前日に29年半ぶりに2万6000円というメルクマールに到達したが、11月に入ってから半月あまりで3000円以上も水準を切り上げており、さすがにスピード違反でそろそろ押し目を形成しなければ、逆にクラッシュを警戒せざるを得ない局面にあった。その意味で、ここでのガス抜きは大勢上昇トレンドを維持するうえでは健全である。
しかし、気になるのは新型コロナウイルス感染者数の増加で、きょうは東京都の1日当たり感染者数が493人と急増し過去最多を記録、後場はこのニュースにアルゴリズムが反応して、先物を絡め日経平均の下げ幅を広げる要因となった。市場では「木曜日に発表される感染者数は多くなりがちで、あすも警戒は募る」(国ネット証券アナリスト)という声が出ていた。先物を絡めた売り仕掛けがあれば、日経平均に連動する主力銘柄には向かい風が強くなる。こうなると、既に定石化している「地政学リスク発生→全体指数下落→防衛関連株買い」の構図と一緒で、川本産業<3604.T>やアゼアス<3161.T>、中京医薬品<4558.T>などの銘柄に資金が流れる。今は有事のコロナ仕様で、防衛関連株ではなく「防疫関連株」に物色の矛先が向く。
また、個別では中小型株に厳しい地合いだったが、マザーズ指数がとりあえず75日移動平均線を車輪止めにして下げ止まる動きをみせており、今度は上昇一服局面を迎えた日経平均を横目に、中小型株に目が向きやすくなる。投資マネーは株価が低い位置にある銘柄にやや飢えている印象を受けるが、これまで決算発表シーズンに絡む不安心理が邪魔をして、なかなか低位株には資金の流れが形成されなかった事情がある。
その鬼門の決算発表を通過したところで今はチャンスである。例えば株価200円台前半に位置するSEホールディングス・アンド・インキュベーションズ<9478.T>は書籍のオンライン販売や電子書籍が好調なほか、教育やIT関連の人材ビジネスが収益に貢献していることが確認された。20年4~9月期営業利益は前年同期比7割増の4億400万円で、対通期進捗率も67%と既に第2四半期時点で3分の2に達している。
株価400円台のフジクラ<5803.T>は4~9月期の最終損益が赤字見通しから一転黒字化しこれが好感される形でマドを開けて買われたが、その後もジリジリと水準を切り上げている。同社株のポイントは株式需給だ。信用取組は大幅に売り長で直近信用倍率は0.37倍。日証金では逆日歩がつく状態にある。
このほか、株価がまだ3ケタ台の銘柄で探すと、菅首相肝いりのデジタル行政関連ではソフト受託開発会社で官公庁向けに実績が高いKYCOM<9685.T>や、訪問介護を主力とする介護サービス会社でAI搭載ロボット分野に経営資源を投下するセントケア・ホールディング<2374.T>なども好決算を発表済みで、今後一段の上値追いが期待できる。
あすのスケジュールでは、10月の首都圏・近畿圏のマンション販売など。また、アララ<4015.T>が東証マザーズに新規上場する。海外では11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の米中古住宅販売件数、10月の米景気先行指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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