今、注目すべき戦略は・・・
米製薬大手ファイザーが開発したコロナウイルスワクチンに90%の有効性が見られたとの報道から、9日の米国株が急騰、夜間の日経平均株価先物も一時1000円高をつける展開となりました。
一夜明けての東京市場は寄り付き直後こそ25000円台を超える高値で推移したものの、引けにかけてずるずると上げ幅を縮小、一時前日比でマイナスになる局面もありました。
9日深夜から10日前場にかけてのマーケットの変動は、大きなファンダメンタルズの変化と言うよりは、ワクチン開発のニュースにより、これまで空売りしていた投資家の急速な買戻しだったと思われます。
確かに冷静に考えれば、かなり有効性の高いワクチンが開発されたからといって、すぐにマスクを外したり、自粛ムードがなくなるわけではありません。おそらくワクチンが開発されてから実体経済に反映されるまで1年近くはかかるのではないでしょうか。そう考えると9日深夜から10日前場にかけてのマーケットの変動は一時的な要因によるものなのでしょう。
一方、マザーズは大暴落でした。
日経平均株価の急騰に伴い、これまでコロナ禍でも業績好調だった銘柄が一斉に叩き売られる展開で、短期的には行き過ぎな動きだったと考えています。
おそらく、これまで「コロナ禍で業績が悪かった大型株を空売りし、コロナ禍で業績がよかった銘柄を買う」といったヘッジファンドのマーケットニュートラル戦略のポジションがワクチン開発の報道を受け、一気に解消したのではないかと考えています。
ただ今回の上昇で、これまで好調だったマザーズの高値更新は遠のいた一方、日経平均株価は高値を更新し続けています。短期的なマザーズのリバウンドはありそうですが、しばらくは高値を更新する大型株主導のマーケットになりそうです。
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