今週は、23500円をはさんだ前後200円ぐらいのもみあいか

著者:出島 昇
投稿:2020/10/26 18:26

先週は、追加経済対策の協議が期待され、レンジの下値を少し切り上げる

 先週の予測では、大統領選をあと2週間後に控え、様子見ムードが続くとし、材料がないために米株式の動きをみながら落ち着きどころを探る展開としました。しかし、大統領選までの追加経済対策は困難とされていたものの、ペロシ下院議長が大統領選前の合意は可能として共和党との協議を模索し始めたことで見切り発車で上昇するという場面がありました。そのため、先週の日経平均は23300~23700円のレンジの動きとしていましたが、先週は下値を切り上げて23400~23700円のレンジの動きとなりました。

 10月19日(月)は、先週末のNYダウは高かった上に、時間外の米株先物高も後押し、午前は一時△293円の23703円まで上昇しました。前日のペロシ下院議長が11月3日の大統領選までの交渉の合意を望むと発言したことで、追加経済対策合意への期待が高まり、見切り発車的な上昇となり、終値も△260円の23671円と3日ぶりの大幅反発となりました。

 20日(火)は、前日の米国市場では追加経済対策協議の難航が嫌気され、期待が一気に下がって、NYダウは▲410ドルの28195ドルをはじめ3指標、大幅下落となり、日経平均も連動して▲83円の23587円で寄り付き、軟調な動きを続け、午後は▲152円の23518円まで下げましたが、下値は限定的で▲104円の23567円の反落で終りました。

 ここまでの売買代金は7日連続の2兆円割れとなり、株価がしっかりしているわりには活気がありません。

 21日(水)は、前日の米国市場で再び追加経済対策の成立期待が高まったことで3指標が反発し、これを受けて日経平均も一時△135円の23702円まで上昇し、終値は△72円の23639円でした。引き続き薄商いの中のこう着状態となっていました。

 22日(木)は、前日の米国市場は追加経済対策の協議を睨んでのもみあいとなり、3指標小幅の反落となったことで、日経平均は▲113円の23525円で寄り付き、為替が前日比では1円近い円高となっていたことで、一時▲203円の23436円まで下げましたが、1円幅の円高のわりには下値は限定的で▲165円の23474円で引けました。

 23日(金)は、前日の米国市場は追加経済対策の協議の進展が好感され、原油高でエネルギー株が高く、経済指標も好調だったことで3指標反発となり、日経平均は△84円で寄り付き、一時マイナスをつけることもありましたが、すぐに盛り返し△113円の23587円まで上昇し、大引けにかかて上げ幅を縮小して△42円の23516円で引けました。1週間を通してみれば、23400~23700円と300円幅の狭いレンジでの上下動でした。

 この日の引け後の米国市場では、NYダウは10月製造業PMI速報値の改善を好感し上昇して始まるが、追加経済対策の交渉が進まず、早期合意期待が後退し下落に転じました。ナスダックとS&Pは上昇。シカゴの日経先物は△60円の23550円でした。

今週は、23500円をはさんだ前後200円ぐらいのもみあいか

 今週は、11月3日の大統領選を間近に控え様子見の中で、追加経済対策への思惑や欧州のコロナ感染再拡大やワクチン開発の動向などを受け、一進一退の動きが継続することになりそうです。日経平均のレンジは先週は23400~23700円でしたが、多少上下に動いても100円程度でしょう。下値は堅いものの上値が重いのは、活況の目安とする売買代金(東証一部)が12日(月)から2週間連続の10日間、2兆円を割り込む状態となっていることで先高感がでにくいということもあります。こういう状態の中で、日米の7~9月期決算の発表が本格化しますが個別物色中心となりそうです。

 柴田罫線では、日米ともに現時点では、上を目指す型となっており、追加経済対策の合意が大統領選の結果を受けて上昇し、11月中に当面の天井をつけるというシナリオが1つ考えられます。日経平均をみると、今年の7月31日の21760円を安値に8月14日の23338円まで上昇後、22880円水準まで押し目を入れて、ゆるやかな短期の上昇トレンド(A)を形成しており、この中でNYダウが上昇すれば、この上昇トレンド(A)を突破し、24000円を試すような動きとなりそうです。このシナリオだとNYダウが29000ドル台に乗せると、日経平均は24400円水準ということになり、当面の天井をつけ来年1月ごろに大きな調整ということも考えられます。現在の相場は、上昇して強くみえてもアメリカを始めとするFRBのような主要銀行がコロナ感染拡大による景気の後退を阻止するために大量の資金をばら撒き、金余りの結果の株高の側面を頭に入れておく必要があります。

 本日26日(月)は、先週末のNYダウは小幅安で終わっていましたが、△4円の23520円とプラスで寄り付き、その後、23572円まで上昇しましたが、後場にはマイナス圏の動きとなり終値は▲22円の23494円と小幅安で引けました。

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(指標)日経平均

 前週は、23300~23700円のレンジの中での動きとなり、今週も基本的には同じ動きが想定されますが、市場エネルギーが低下しているため様子見が続くことになるとしました。

 柴田罫線では、7月31日の21760円の安値から8月14日の23338円まで上昇し、押し目をつけたあと、ゆるやかな上昇トレンド(A)となっており、この中で買転換となって10月9日に23725円の高値更新となっており、この上昇トレンド(A)を明確に突破すると24000円を試すことになるとしました。

 結局、NYダウは軟調でしたが、日経平均は下値の堅い動きとなっており、23300~23700円のレンジの中で下値を100円切り上げて23400~23700円のレンジの動きとなりました。

 今週も引き続き、大統領選を前に様子見の中、追加経済対策の協議の行方、ワクチン開発の動向、欧州の感染再拡大などのニュースが相場に影響を与え一進一退の動きとなりそうです。こうした中、日米ともに7~9月期決算が発表されるため、個別銘柄物色となりそうです。柴田罫線では22800円水準から上昇トレンド(A)となっており、この中で10月9日に23725円の高値をつけたあと23300~23700円の中でもみあっており、この上昇トレンド(A)を明確に突破すると一段高(まず24000円)となります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、追加経済政策の合意の遅れが不透明要因となっており、大統領選前の合意に達することは困難となっているとしました。

 しかし、18日(日)にペロシ下院議長が大統領選前の合意を望むと発言したことで、早期合意への期待が再燃し、19日(月)の日経平均は大幅上昇となりましたが、引け後の米国市場では、協議の難航が嫌気され、NYダウは▲410ドルの28195ドルと大幅下落となりました。その後は早期期待が高まったり、弱まったりで上下動の動きを繰り返し週末の時点では、早期合意の期待は後退し▲28ドルの28335ドルで引けました。

 今週も大統領選を11月3日に控え不透明感の中で引き続き、追加経済対策を巡る早期成立の交渉の行方が焦点となって上下に振れる相場展開となりそうです。その中で7-9月期のGDP速報値が前回の4-6月期は過去最大の落ち込みだっただけに最大の伸びが期待されており、予想通りとなると株価の上昇要因となります。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、大統領選を11月3日に控え、トランプ対バイデンの直接対決が注目されるが、バイデン有利の見方が大勢の中で接戦の見方もあり、方向感のない為替の動きを想定しました。

 しかし、追加経済対策の早期成立期待が高まったことで、10月20日に105.75円までドルが買われましたが、週後半には早期合意への期待が後退し、一時104.34円までドルが売られました。その後、経済指標の改善を受けて104.88円までドルが買い戻され引け値は104.70円でした。

 今週は、11月3日の大統領選を控え、トランプ対バイデンの世論調査が焦点になりそうです。今のところバイデン候補有利ですが、増税計画に対してインフラへの大規模投資の期待が勝っており株高の要因となっています。一方でトランプの巻き返しの可能性もあるということで、為替市場は様子見となるというのが一般的な見方です。ドル買いが強まる場合は、10月29日発表の7-9月期GDPが市場予想を上回れば、米長期金利が上昇しドル買いが強まる可能性があります。レンジは104~106円を想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム