本日も「人民元の動意」がポイント、ただそれ以外は…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2020/10/12 10:03

◆ 人民元切り上げ - “ドル売り”先行


「キッカケが見当たらない」と記した先週末でしたが、「中国人民元切り上げ」がそのキッカケとなりました。

中国人民銀行は“休み前より0.0305元高(6.7796元)”に人民元を設定し、“対ドルで2019年4月以来の高値”へと導きました。
このため全般的に“ドル売り”が進行する格好になり、それが他通貨にも伝搬していきました。
こうなると上値を押さえられていたドル円には“渡りに船”であり、「米追加経済対策の合意は最終段階」との一部報道等も取り上げつつ、“105.575円”へと値を落としました。

◆ その人民元に変調の兆し…?


このため本日は、先週末以上に「中国人民元動向」に注目が集まりやすいと見られます。
人民元高抑制が目的と見られる「為替フォワード準備金要件を撤廃(中国人民銀行)」との報道が今朝方に流れたことで、その意向に沿う流れとなれば“ドル買い戻し”が先行する展開が期待されるところです。
ただそうでなければ“さらなるドル売り”が避けられないと見られる中、本日は「米国市場が休場(コロンブスデー)」となります。
ドル主体の動意が「米追加経済対策の行方」に限定されますが、目先の動意は期待薄…。
そうなると、人民元で勢いづけば止めようがない…?

オーダー状況を見ると、“105.50-40円”にはまとまった規模のドル買いオーダーが展開する反面、ドル売りオーダーは“106.00円超”に切り上がっていると聞き及びます。
つまり「“105.50円”を巡る攻防」が、目先の方向性を左右すると考えてもよさそうに思います。
「先週の巻き戻し」?前記「人民元高抑制報道」を考えれば、個人的には“底堅い”を基本と考えますが、同ラインを巡る攻防を固唾を呑んで見極めたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:106.172(日足・一目均衡表先行スパン上限、9/14高値、+2σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:106.107(10/8高値、日足・一目均衡表先行スパン下限)
上値3:106.000(大台、10/9高値)
上値2:105.904(10/7~10/9の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:105.794(50日移動平均線、10/7~10/9の50%戻し、+1σ)
前営業日終値:105.596
下値1:105.468(10/6安値、日足・一目均衡表転換線、週足・一目均衡表転換線、10/2~10/7の50%押し、ピボット1stサポート)
下値2:105.380(10/2~10/7の61.8%押し、10/5安値、20日移動平均線)
下値3:105.301(9/21~10/7の38.2%押し、ピボット2ndサポート)
下値4:105.191(日足・一目均衡表基準線)
下値5:105.053(9/21~10/7の50%押し、大台、-1σ)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想