カナダドル/円、もう一段の上値トライとなる条件は?

著者:津田隆光
投稿:2020/10/09 10:23

21日MA、200日MA超えは上昇の試金石?

カナダドル/円・日足・複合チャート
カナダドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】BB・+2σライン(≒80.540円)上抜け突破成否
【見通し1】上抜け突破なら、「81.520円」付近までの上値トライも
【見通し2】上値抑制なら、「79.430円」付近までの下押しとなりそう

ここもとのWTI(NY)原油相場の堅調さに伴い、資源国通貨であるカナダドル/円が下値しっかりの相場展開となっています。

上図チャートを見てみると、1) 21日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態となっていること、3) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、4) BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが21日MAに対してパラレルとなっていること、そして、5) DMI(方向性指数)で+DIと-DIが交差した後、+DI>-DIとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、カナダドル/円・日足チャートでは、下方硬直性を伴うレンジ相場であると捉えて良いでしょう。

着目すべきポイントは、8日および本日(午前8時時点)のローソク足(上図黄色四角枠)が、a) 直近の上値基準線であるBB・+1σライン、b) 約1カ月間における市場参加者の平均コストである21日MA、そして、c) 約1年間における市場参加者の平均コストである200日MAといった、3つの重要メルクマールを上抜け突破している点。

本稿執筆時点では、上記b)およびc)が近似値(≒79.730円、上図黄色矢印)となっていることから、ローソク足の両線突破の動きは、カナダドル/円のトレンド転換を確認する上で、重要な試金石となり得る可能性も。

これからの時間にかけて、仮に上値抵抗線として機能するBB・+2σライン(≒80.540円、上図赤色三角印)をローソク足が上抜け突破した場合は、カナダドル/円の上昇モメンタムがもう一段強まりそう。その場合は、8月28日に付けた直近高値である「81.520円」付近までの上値トライを想定すべきでしょう。

一方で、同ライン付近でローソク足が上値を抑制される動きとなった場合は、「上値抵抗圧力の増大」→「一旦の下押しフロー」となる可能性も。その場合は、21日MAおよび200日MAをメドとする「79.430円」付近までの下押しとなりそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想