米副大統領討論会で“上方ブレイク”なるか…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2020/10/08 10:11

◆ センチメントは“日替わりメニュー” - リスク回避→リスク選好


行き詰まりの際の「テーマ変わり」は、やはり“プラス”に働いた…?

『米追加経済対策協議を停止』を背景に“リスク回避”からスタートした昨日でしたが、“円主導”になりやすい東京タイムに大きく下落することはありませんでした。
さらにトランプ大統領が『一部支援策に含み(航空会社支援、1200ドルの小切手配布等)』を残したことがマーケットの期待感を誘い、センチメントは“リスク回避→リスク選好”へと一変しました。
米株式は“急反発”、クロス円通貨は“軒並み上昇(円全面安)”を見せる中、ドル円は9/14以来となる“106円回復”を示現しています。

◆ 注目度の高い「米副大統領候補・討論会」


本日の注目イベントは、何といっても「米副大統領候補者・討論会(日本時間10:00~)」と見られます。
本来であれば「大きな注目を集めるとはいいがたい」といった類のイベントですが、今回は「大統領候補が共に高齢」であり、トランプ氏に至っては「新型コロナ罹患中」という状況です。
このため「4年の任期が全うできない」という疑念が頭をよぎりやすく、その意味で「副大統領の資質」というよりは「(何かあった際の)大統領の資質」が求められるという側面も見え隠れしているからです。

バイデン(ハリス)陣営がリードを広げると“株安→リスク回避”、トランプ(ペンス)陣営が巻き返すと“株高→リスク選好”を個人的には想定していますが、「選挙は水物」ともいわれるだけに何が起こるかわかりません。
不意な急変動には注意を払いつつ、“日足・一目均衡表先行スパン上限(106.172円)”を明確に突破できるかを、固唾を呑んで見極めたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:106.545(9/3-4高値、100日移動平均線)
上値4:106.490(20週移動平均線)
上値3:106.385(9/7-8高値、+2σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:106.293(9/10-11高値)
上値1:106.165(9/14高値、10/7高値、日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:105.975(大台)
下値1:105.906(+1σ)
下値2:105.843(日足・一目均衡表先行スパン下限、50日移動平均線)
下値3:105.657(10/2~10/7の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値4:105.590(10/7安値)
下値5:105.468(10/6安値、日足・一目均衡表転換線、週足・一目均衡表転換線、10/2~10/7の50%押し)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想