メキシコペソ/円、週足チャートでも上昇サイン出現か

著者:津田隆光
投稿:2020/09/18 10:21

週足・遅行スパンの“好転”が示現!

メキシコペソ/円・週足・複合チャート
メキシコペソ/円・週足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目メルクマール1】DMI(方向性指数)
【注目メルクマール2】遅行スパン
【注目ポイント】先行2スパン(≒5.110円)超え成否
【見通し1】同スパンで上値抑制なら、「4.780円」付近までの下押しも
【見通し2】同スパン上抜け突破なら、「5.500円」付近までの上昇も視野に

今月に入り、多くの対円通貨が上昇一服の下押しフロー主体の相場展開となる中、ここもとの原油相場の堅調さとともに、実質金利※の相対的な高さ等を材料に、メキシコペソ/円がじりじりと上値を切り上げる相場展開となっています。(※実質金利=名目金利-期待インフレ率、フィッシャー方程式)

メキシコペソ/円・日足チャートでは典型的な上昇トレンドを示すチャート形状となっていますが、同・週足チャートにおいても、トレンド転換を示唆する重要なシグナルが出現しています。

まずは週足チャートのトレンド確認から。上図チャートを見ると、1) 26週MA(移動平均線)が右肩上がり推移に変化しつつあること、2) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして、3) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”序盤となっていることが視認でき、これらメルクマールを勘案すると、メキシコペソ/円・週足チャートでは。レンジ相場主体から、緩やかな上昇トレンド主体へと転換する「端境期(はざかいき)」の時間帯であると判断します。

その他で、特に注目すべきメルクマールは2つ。

まず1つ目は、DMI(方向性指数、上図赤色点線丸印)。これからの時間にかけて、+DI>-DIの乖離が拡大し、同時にADXが右肩上がりとなった場合は、「プラス(=上昇)の方向性優位」→「上昇トレンド支援」の起点となる可能性も。

そして2つ目は、遅行スパン(26週遅行線、上図黄色丸印)。本稿執筆(18日)時点では、同スパンがローソク足を上放れる“好転”が示現していることから、“フェイク(ダマし)”には十分留意する必要はありますが、週足レベルでの上昇トレンドシグナルの嚆矢(こうし)と捉えて良いでしょう。

これらを踏まえた上で、喫緊の注目ポイントは・・・上値抵抗線として機能する先行2スパン(≒5.110円、上図黄色矢印)をローソク足が上抜け突破するか否か。

これからの時間にかけて、仮にローソク足が同スパンで上値を抑制される動きとなった場合は、「上値抵抗圧力の増大」→「一旦の下押しフロー」となる可能性も。その場合は、SAR(≒4.780円)付近までの下押しも想定すべきでしょう。

一方で、ローソク足が同スパンを上抜けした場合は、「上値抵抗線突破」→「上昇モメンタムの強まり」となる可能性も。その場合は、心理的重要ラインである「5.500円」付近まで上昇する可能性も視野に入れるべきでしょう。

同スパンは、BB・+2σラインとともに、6月時高値と近似値となっていることから、中長期的な重要テクニカル境界線と捉えるべきでしょう。よって、同スパン超え成否は、今後のメキシコペソ/円の中長期トレンド観測をする上で、重要な判断基準となりそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想