先週は想定した23000円水準(23000~23600円)でのもみあい
先週の予測は、前週末の▲326円の22882円を取り戻したあと、再び23000~23600円の中でのもみあいが想定されるとし、結果的に週明けの8月31日(月)に△257円の23139円と反発し、9月3日(木)に23580円まで上昇し、週末は23098円まで下落し、23205円で引けました。手掛かり材料がない中、方向感のない展開となり、23000~23600円の中で高値23580円、安値23098円と上限から下限の動きとなりました。
8月31日(月)は、前週末の米株高を受けて、△264円の23147円で寄り付き、時間外での米株先物の上昇を受け、一時△459円の23342円まで上昇し、買い一巡後は上値重く大引けにかけて伸び悩み△257円の23139円と4日ぶりの大幅反発となりました。
9月1日(火)は、前日の米国市場で長期金利の低下を受けて金融株が下落し、NYダウが▲223ドルの28430ドルと反落したことで、日経平均も▲50円の23089円で寄り付き、一時▲91円の23047円まで下げました。後場になると売り買いが交錯し、前日の終値をはさんだもみあいとなり、▲1円の23138円と小反落しました。
2日(水)は、前日の米国市場では、アップルなどのハイテク株が相場をけん引し、8月ISM製造業PMIも予想を上回ったことで、3指標そろって大幅上昇(ナスダックとS&Pは最高値更新)となったことで、△123円の23261円で寄り付き、一時△149円の23287円まで上昇し、その後は上値重く、終値は△109円の23247円となりました。
米株の上昇のわりには上値が重いといえます。市場の見方は菅氏が総理になっても安倍政権下の政策を超えるのは難しく買い進めにくいというものです。
3日(木)は、前日の米国市場が半導体の軒並み高を受け、出遅れ株も動意づいたことで3指標が前日に続いて大幅高となり、日経平均は△277円の23524円で寄り付いて△333円の23580円まで上昇し、2月21日のコロナ暴落前の水準23386円を上にぬけたことで目標達成感もあり、上げ幅を縮小し△218円の23465円となりました。週末の4日(金)は、前日の米国株式がハイテク株の利益確定売りをキッカケに、NYダウが▲807ドルの28292ドルをはじめ、3指標そろって大幅安となり、これを受けて日経平均は▲335円の23130円で寄り付きましたが、下げは▲366円の23098円で止まるものの、戻りは限定的で▲260円の23205円と3日ぶりの大幅安となりました。
日本市場の引け後の米国市場では、注目の8月雇用統計は、非農業部門雇用者数はやや減少したものの、予想通り失業率は改善し、平均時給も予想を上回る概ね強い結果となりましたが、前日に続いて主力ハイテク株が利益確定売りで一時、急落となりました。そのため3指標は一時そろって急落し、NYダウは朝方は△247ドルのあと▲628ドルまで急落し、▲150ドルの28133ドルとなりました。しかし、日経平均のシカゴ日経先物は、為替が1ドル=106円台の前半で落ち着いていたことで△5円の23175円となっていました。
今週は、引き続き23000円台の値固めができるかどうか
今週は基本は、先週と同じく23000~23600円のもみあいを想定し、23000円台の値固めができるかどうかが注目となります。そのためにはいくつかの条件があります。まず、米国株と為替に大きく波乱がないことです。米国株式は主力ハイテク株の利益確定売りから先週後半大きく下げましたが、これが下げ止まるかどうかとなります。又、今週の11日(金)はメジャーSQで、米国株式の動きによっては先物主導で上にも下にも大きく動く場合がありますので注視するところです。目先は日経平均もNYダウに続いてコロナショック前の高値をつけたことで、目先の目標達成感があり、一気に上にぬけていくのは難しいと思われます。何度も言うように、日本株式は米国株式次第といえます。その米国株式はハイテク株の上昇しすぎからの利益確定の問題だけでなく、11月の大統領選挙の前に不透明感が出ていることです。追加の経済対策のメドが立っていないこと、国民を支援する失業保険補助金の支払いが滞っていることなどです。しかし、逆に追加の財政支援の拡大を打ち出せば米株は上昇し、日経平均も連動することになります。
本日は、基本的に上値は重いものの、▲115円の23089円の内、ソフトバンク一社で▲97円も下げました。下落銘柄817銘柄、上昇銘柄1277銘柄をみるとよく分かります。米ハイテク株でソフトバンクが巨額のデリバティブ取引をしたことで、”投機会社”とみられて嫌気されたことになります。このまま下げ止まるかどうか注目となります。
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(指標)日経平均
先週の予測では、前週末に安倍首相の辞任報道で日経平均は急落したものの、米国市場は影響なく上昇しており、次期首相を巡る政府内の調整も大きなトラブルがないことから戻りを試しながら23000円水準でのもみあいが続くとしました。
結果的には、予測で述べたように週始め大きく戻して23000円台を回復し、想定した23000~23600円の中のもみあいとなり、週末の4日(金)は米株式の大幅下落を受けたものの、23098円まで下げて23205円で引けました。
今週は、米国株式が過熱感から、さらに不安定な値動きにならない限り、先週と同じように23000~23600円のもみあいとなって23000円台の値固めをすることになります。ただし、8月25日にコロナによる急落前の水準に戻したことで、目先、達成感もあり、米国株式が主力ハイテク株の利益確定売りでさらに不安定な相場の可能性もあり、上値が重たい展開になると思われます。
(指標)NYダウ
先週の予測では、FRBのインフレ目標修正を受けて、ゼロ金利政策を当初想定された以上に長期に維持する可能性が高まったことで、29000ドル台に乗せると日経平均にも追い風になるとしました。
しかし、結果的には29000ドル台に乗せたあと主力ハイテク株の利益確定売りから急落となり、つれてNYダウも同じよな動きとなりました。
週半ばの9月2日(水)までは、S&P、ナスダックは連日の最高値更新で、NYダウもこの日は29199ドルと29000ドル台にのせました。ところが翌日の3日(木)は主力ハイテク株の利益確定売りからの急落でNYダウは▲807ドルの28292ドル、さらに4日(金)は主力ハイテク株の急落が続き、NYダウは一時▲628ドルの27664ドルまで下げ、終値は▲159ドルの28133ドルとなりました。悪材料が出たわけではなく主力ハイテク株の上昇しすぎから利益確定売りとなったことです。
先週は、週後半に主力ハイテク株の利益確定売りで大幅下落となりました。これはハイテク株の上昇しすぎの問題だけではなく、11月の大統領選挙を前に不透明感が出ていることも影響しています。追加の経済対策のメドが立っていないこと、国民を支援する失業保険補助金の支払いが滞ったままであることなど、さらにコロナ急落相場を回復して目先の目標達成感があることなどです。又、年を通じて9月相場は弱い月となっています。FRBは長期に渡る低金利の維持方針を示していますが、さらに同時に財政支援の拡大も打ち出せるのかがポイントとなります。今月は要注意の月となります。
(指標)ドル/円
先週の予測では、前週末に安倍首相の辞任報道で一時、リスク回避の円買いが進んだものの次期首相については調整されて進行しているのでリスク回避的な円買いは低いとしました。又、FRBはゼロ金利の長期化を維持するため米株式の上昇基調は変わらず、ドル買い・円売りの方向は変わらないとしました。
結果的に、週半ばなで上昇した米株式は週後半の2日間は主力ハイテク株の利益確定売りによる急落が起こりましたが、為替は1ドル=106円台前半の動きのままで106.23円で引けました。
今週は、106円でのもみあいが続く。FRBは追加の金融緩和を検討しており、9月15~16日開催のFOMCで量的緩和策の拡大について議論される可能性があります。そうなると低金利の継続で金利の先高感は一段と後退することになります。そうなるとドル売り・円買いの流れとなりますが、10日のECB(欧州中央銀行)が緩和策の拡大に踏み切るということでユーロ売り・ドル買いが増える可能性があることで、ドル・円はもみあいとなりそうです。
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