今週は、お盆をはさんでおり、22500円水準を中心に一進一退の動き

著者:出島 昇
投稿:2020/08/11 19:04

先週は、週前半、日経平均は22603円まで上昇するも、米株高に連動せず3日続落で引ける

 先週の予測は、前々週末に日経平均は▲629円の21710円と22000円を大きく割り込んで引けたことで、先週は、下値模索も想定されるところでしたが、その後の米国市場で急落していたドルが104円台から106円台へ買い戻され、NYダウも△114ドルの26428ドルと急伸し、シカゴの日経先物も△160円の21920円となっていたことで大きく戻して22000円水準を中心のもみあいになると想定しました。

 しかし、ナスダックの最高値更新を始めとして3指標の上昇が止まらず、日経平均の2日連続の大幅高となって4日(火)に22603円まで上昇しました。その後は上値重く、米国株の上昇に追随できず3日続落で引けました。

 8月3日(月)は、前場は前週末の米国高を支えに△237円の21947円で寄り付き、一時△477円の22187円まで上昇し、前引けは△413円の22123円でした。後場になってもジリ高歩調が続き、終盤には一時△504円の22214円まで上昇して△485円の22195円と大幅反発して引けました。

 4日(火)は、前日の米国市場で7月ISM製造業PMIが市場予想を上回り、ナスダックが最高値更新したことで3指標そろっての上昇スタートとなり、日経平均は△184円の22379円で寄り付き、円安も好感されて上昇が続き、大引け近くには△408円の22603円まで上昇して終値は△378円の22573円と2日連続の大幅上昇でした。

 5日(水)になると前日の米国市場はナスダックが最高値を更新して3指標上昇するものの、日経平均は▲93円の22479円で寄り付き、昨日までの連騰から一時▲217円の22356円まで下落しました。しかし、後場になると日銀のETF買い観測から下げ幅を縮小し、一時▲19円の22554円まで戻し、終値では▲58円の22514円で引けました。

 6日(木)は、前日の米国市場はナスダックは3日連続の最高値更新と3指標上昇ながら、日経平均は▲43円の22471円で寄り付き、その後も上値重く一時▲151円の22362円まで下げて終値は▲96円の22418円となり、売買代金も2兆円割れとなりました。

 7日(金)は、前日の米国市場は好調が続き、ナスダックは史上初の11000P超えとなりましたが、日経平均は△15円の22433円で寄り付くものの、3連休や米国の7月雇用統計を控え上値重く、後場には一時▲213円の22204円まで下げましたが、終値は▲88円の22329円で引けました。

 日本市場の引け後の米国市場では、注目の7月雇用統計は予想を上回りました。非農業部門雇用者数は市場予想の160万人増を上回る176万人増、失業率も6月の11.1%に対して7月は10.2%と改善しました。しかし、トランプ大統領が中国製動画アプリTikTokの米国内での使用制限に対する大統領令に署名したことで、米中対立激化懸念が強まり、NYダウは一時▲163ドルの下げとなりましたが、大引けにかけて追加経済対策への期待から△46ドルの27433ドルと6日続伸となりました。為替は1ドル=106円水準の円安となったこともあり、シカゴの日経先物は△90円の22430円でした。

今週は、お盆をはさんでおり、22500円水準を中心に一進一退の動き

 今週は、米国株式や為替の動きと米中対立激化懸念、国内では感染拡大の状況を注視して22500円水準を中心に一進一退の動きが続くことになりそうです。先週末の米7月雇用統計は予想を上回り、為替は106円水準の円安となっており、日本市場が休日の昨日の米国市場は、与野党で合意ができないでいた追加経済対策について、トランプ大統領は大統領令によって失業保険の上乗せや給与税の猶予に署名を行ったことで、NYダウは△357ドルの27791ドルと大幅高となりました。これを受けて日経平均は22500円を上回るスタートとなっています。ただし、米国株式の上昇が続くのかとなると米中対立激化懸念からナスダックは続落となっており、上値は重たくなってきそうです。米中対立についてはアザー米厚生長官が昨日に1979年に台湾と断交して以降の最高位の高官訪問ですので、中国が大きく反発しています。トランプ大統領の11月の選挙前のパフォーマンスの側面があり、決定的な事にはならにとの見方が多いようです。

 国内について言えば、一部の主力企業の4-6月期決算が予想以上に悪かったことで米国株の上昇についていけない状況となっています。又、コロナの感染者増加が東京以外の地方にも拡散しており、日本の経済回復の期待が後退していきています。今週は週末の8月15日にお盆を控えており、夏休みムードもあって市場ボリュームは低水準で移行する可能性があり、戻りを試すにも限界があります。

 本日11日(火)は、先週末のNYダウが大幅上昇して終わっていたことで△176円の22505円と22500円台で寄り付き、その後も堅調に推移し、後場もジリ高となって△420円の22750円と高値引けとなりました。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、為替とNYダウの動きが注目となるとし、為替が104円台から106円水準に戻ったことで22000円を取り戻す動きが想定されるとした。

 結果的に、為替は105円台後半の円安水準が続き、NYダウは6日続伸となったことで、日経平均は週前半に22603円まで戻しました。その後は米株高に連動せず上値の重い展開となって週末は22204円まで下げて、終値は22329円で引けました。週の動きとしては、21500~23000円のレンジの中の動きとなっています。

 先週は、米株高が1週間を通して高かったものの、週前半の2日間だけ大幅上昇となり、その後は米国株高に追随できず3日連続安となりました。その理由は、国内上場企業が発表した決算の不振が目立ち、さらに東京以外でも感染拡大が広がって景気回復期待にブレーキをかける形となっています。今週も引き続き夏休み休暇で相場が低迷してくる中で、コロナの国内感染状況が注視され、22000円台を中心とした一進一退の動きとなりそうです。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、7月雇用統計と追加の経済対策が注目となるとしました。

 結果的には、7月の雇用統計は非農業部門雇用者数は市場予想を上回り、失業率も改善したもののトランプ大統領が中国製動画アプリの国内使用制限で米中対立激化懸念から、NYダウは一時▲163ドルの27223ドルまで下げました。その後、追加経済対策への期待から△46ドルの27433ドルと反発して引けました。

 今週は、相場の上昇が続くためには追加の経済対策を巡る共和党と民主党の交渉の行方となります。ただ、追加支援が必要との点では一致しており、結果的には下値は支えられることになりそうです。一方で米中対立の激化懸念が高まればハイテク株が重しとなって上値は追えなくなります。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、7月の雇用統計が手掛かり材料となりました。前週は1ドル=104円水準まで下げたあと、7月のシカゴ購買部協会景気指数が予想を上回り、ナスダックは最高値を更新して株式が上昇してドルが買い戻され106円水準まで戻して引けました。

 結果的に、リスク回避のドル売りは一服し、7日(金)は追加経済対策法案が不透明なままのため、105.55円までドルが売られましたが、7月雇用統計が予想を上回ったことで、106.05円まで買われ引けは105.92円でした。

 米国経済の先行きは不透明であり、米株式も目先上値の重いところへきており、又、コロナ感染拡大からドルがさらに買われ続ける可能性は低いと思われます。FRBは今後の回復シナリオには慎重で米10年債利回りはフシ目の0.5%に接近しており、長期金利が持続的に上昇する可能性は低いとみられています。104~107円のレンジを想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム