NYコラム(3日)ダウ平均は強含みでスタートか⁈–ISM指数で製造業の景況感改善を確認へ

著者:加藤裕一
投稿:2020/08/03 21:53

NY株式市場(3日)TicTok買収交渉の行方を注視–失業保険の特別加算で暫定措置の発動あるか⁈

8月相場入りとなる3日のニューヨーク株式市場でダウ平均は強含みながらもみあうスタートとなりそうだ。

先週末に峠を越えた主力企業の決算発表で確認された好業績のIT・ハイテク株に対する物色の流れは週明けも継続しそうだ。先週末の取引終盤で25日移動平均線(2万6276ドル)を捉えたダウ平均は、寄り付きで買い優勢となり先週末の日中高値(2万6440ドル)を上回る場面も見られよう。

一方で3日のニューヨーク株式市場では、日本時間23:00に発表される7月ISM製造業景況指数に相場の関心がほぼ集中している。市場予想では前回=6月の52.6から、53.5に2ヵ月連続で経済活動の拡大・縮小の境目を示す50を上回り改善する見通しだ。ダウ平均は、寄り付きの売買をこなしたあとは、結果次第で相場の方向性を決定付けそうなISM製造業景況感指数を確認する必要性が極めて高い。

TicTtokの北米事業売却をめぐる米中対立の行方に神経質な地合いは続くだろう。バイトダンスと買収協議を進めているマイクロソフトは来月15日までに協議完了を目指すいう。トランプ政権はTikTokの売却猶予期限を45日間に設定する方針と報じられた。中国側の反発も必死の状況で、アメリカと中国間における報復の連鎖に要警戒となる。

アメリカ議会で与野党協議が難航したことから失業保険の特別加算措置は7月末に切れたままとなっている。3日もアメリカ議会では与野党の指導部間で継続協議される予定だ。暫定的な措置も打ち出すことができない政治の混迷が、アメリカ景気や個人消費の先行きに与える影響を見極めなければならない状況だ。3日のアメリカ株式市場は、引き続き、コロナ対策関連ニュースに関するヘッドラインに敏感に反応する相場付きは続くものと見ている。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想