NY株式市場(27日)モデルナがワクチン候補の第3相試験を開始–今週のFOMCやGAFA決算を見極めへ
27日のニューヨーク株式市場でダウ平均は反発して取引が始まりそうだ。注目されていたテスラ決算をきっかけに先週末までの2日続落で500ドル以上下落した反動から自律反発を試す局面もありそうだ。寄り付きで先週末の日中高値(2万6625ドル)がレジスタンス・ラインとしてまずは意識されそうだ。先週の取引で決算発表をきっかに売られたテスラやマイクロソフト、インテルなど主力IT・ハイテク株の下げ止まりから持ち直しが確認できれば、相場全体の追い風になろう。
新型コロナウイルスのワクチン開発をめぐっては、モデルナが27日からワクチン候補の第3相試験が始まる予定だ。モデルナは今回の試験開始に先駆けて開発援助資金の追加資金を受領したことも明らかになっており、コロナワクチン開発に関する進展期待は相場の下支えとなりそうだ。
ただ、中国は、27日にアメリカ・ヒューストンにあった中国総領事館の閉鎖に対する報復として四川省成都市にあるアメリカ総領事館を閉鎖した。米中間では在外公館の閉鎖を巡る報復合戦に発展する対立の構図が鮮明化しており、米中対立への警戒感が強まりやすいと見ている。
本格化している主力企の決算発表では、今週はアップルやアマゾンなど注目度が高い企業の決算発表が予定されている。28日から始まるFOMCを直前に控えた様子見姿勢も見逃せない。トランプ政権とアメリカ議会上院の共和党が総額1兆ドルにのぼる追加コロナ対策で基本合意したアメリカ議会では、与党・共和党と野党・民主党の本格的な詰めの協議が今週から月末に向けて断続的に行われることから、積極的に買い上がる動きは限定的になりやすく、本格的なリバウンド相場入りには日柄をこなす必要もあるようで、27日のニューヨーク株式市場は、短期的な買い戻しの範囲内に収まることも想定しておきたい1日となる。
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